「古式顔寄せ手打ち式」開かれる-八代目尾上菊五郎・六代目尾上菊之助襲名興行披露
八代目尾上菊五郎・六代目尾上菊之助襲名興行が、5月・6月の歌舞伎座を皮切りに始まるのを前に「古式顔寄せ手打ち式」が4月29日歌舞伎座で開かれました。
「顔寄せ手打ち式」は興行の諸取り決めが定まったしるしとして座元と出演俳優が揃って手を締める古くからの行事で本来は幕内(舞台関係者)のみのものを特別に公開(司会者の言)したものです。何しろめったに見られるものではないのでチケットは瞬殺、何とか入手して奈良からやってきた友人と座席に落ち着きました。
まずは初代菊五郎からの代々の歴史と先日神田明神で行われた襲名記念のお練りを特別編集の映像で、お練りにも出掛けた友人は「余りに人が多くてよく見えなかったので、漸く何が行われていたのか分かった」と笑っています。幕間を挟んでいよいよ「手打ち式」、幕が開くと、松竹関係者と菊五郎の周りに紋付き羽織袴の歌舞伎俳優・囃子方約100人勢揃い、流石の歌舞伎座大舞台も狭く感じられるほど。隣の友人が猛烈な勢いで並んだ俳優さん達の名前を書き始めました。仁左衛門、玉三郎、勘九郎、七之助、團十郎・・・竹本葵太夫、清元延寿太夫・・・七代目の菊五郎はそのままなので、菊五郎が二人、六代目菊之助のご挨拶のあと、手締めです。最後は観客も一緒にこの歴史的瞬間に立ち会いました。客席最高潮!
最後に神田明神でも奉納された「七福神」を八代目菊五郎・六代目菊之助がご祝儀舞踊として上演。長唄で最も古い曲とのことです。
友人は名前の分からなかった囃子方の名前を劇場の方に確認し、「松竹と菊五郎家をのぞいて95名」と教えてくれました。流石に月に4回ずつ観ているだけのことはあります。
さあ、5月からは襲名興行のスタートです。5/6月歌舞伎座、7月松竹座、御園座、南座、来年の博多座と続きます。観客も体力勝負です。
興行の成功を祈って。一本締め。
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