築地の“しゃけこさん”はとてもフレンドリーです。
~ 鮭の店 昭和食品 ~
『ギフト、そして自分も楽しむ』をフリーハンドで取材します、rosemary sea です。
築地場外市場の有限会社 昭和食品さんにお伺いしました。
ロズマリが週2,3度、朝、お店の前を通りかかり、ご挨拶をさせていただく先です。
社長の佐藤友美子(さとう ゆみこ)さん、ニックネームは「しゃけこさん」、とてもフレンドリーです。
鮭に対する熱意は氷も溶かします。(冷凍主体の商品なので本当に溶けたら困りますが・・・)
鮭の店 昭和食品さんは7月の「わくわくツアー」で、ロズマリはガイドの一人としてご案内させていただきました。
こちらのお店、実は全国にリピーターを持つ、鮭好きの方にはとても有名なお店なのです。
最初に、訪問日11月28日朝の商品ラインナップです。
「」内はしゃけこさんのコメントです。お値段は全て税込価格です。
それでは・・・
鮭 1本もの
上、左より: 時鮭(トキシラズ) 13,900円 、 10,700円 、
紅鮭(赤い文字) 11,000円 、 12,750円
中央、左から: 紅鮭(赤い文字) 7,550円 、7,950円 、一つ置いて7,150円 、
間の黒い文字は秋鮭 5,400円 、
下、超辛口の紅鮭
時鮭・・・北海道近海で獲れる、遡上前に十分栄養を摂り、脂ののった鮭。
秋鮭・・・日本の川で生まれ、日本の川に遡上する鮭。
紅鮭・・・カナダ・アラスカ・ロシアなどの北国生まれ。
超辛口・・・脂ののった高級紅鮭を、低温貯蔵で充分に熟成させた鮭。
昔ながらの「しょっぱい」鮭で、当店の看板商品です。
この場合の「辛い」は「塩辛い・しょっぱい」に相当します。
「トキ(時鮭)は漁期が1年に1回です。
それを1年かけて、私たちは売るんですね。
トキは6月に獲ったもので、今の時期だと結構塩がなじんでいる、おいしくなっています。」
「秋鮭(あきじゃけ)というのは、今獲っている鮭、お歳暮などに使われます。
それは脂(あぶら)が多くない、まだそんなに塩が浸透していない、それはそれでいいんじゃないかと。」
「上隅のトキで3キロくらい。
トキの小ぶりのは6千円台からあります。
秋鮭は4、5千円台から1万円以内。
超辛口はこのサイズ、半身で5千円前後。」
「超辛口は、よそではあるものではないので、リピーターがものすごく多いのもこの鮭。
寝かせてそれで旨みを増します。
天然ものを集めているお店はそう無いので、そこもうちの特長かな。」
鮭 切り身
上から: 中辛 紅鮭 3切 1,000円
秋鮭 ハラス 800円
村上塩引(むらかみ しおびき) 3切 1,200円
紅鮭 筋子 980円
秋鮭 5切 1,000円
時鮭 3切 1,080円
超辛口 3切 1,080円
ハラス・・・マグロで言うところの「トロ」にあたる部位。
脂ののった、おいしいところ。
村上塩引・・・新潟県の村上の名産品。
伝統製法を受け継ぎ、丹念に仕上げられた逸品。
こちらも「しょっぱい」です。
「村上の塩引も大変人気があります。」
乾物類
左から: ほたるいか(山陰素干し) 400円
鮭トバ 1本 1,250円
干貝柱 40g 980円 ・ 80g 1,950円
「うちで人気のあるほたるいか、おいしいです。」
他に・・・
上: 帆立大王 1,980円
中央: 鮭フレーク 600円
下: 虎ふぐひれ 500円
「お正月のお料理に、帆立をどうぞ。
ふぐひれでひれ酒が作れます。」
南部 鼻曲がり
雨模様でなければ、今の時期、店頭に吊るされています。
岩手県の大槌(おおつち)名産の、手作り、寒風干しの鮭です。
「12月から入ってきます。
1回干して作るものなので、手間がかかります。
その分味わい深いものになっています。」
鮭の切り身を買いました。
左は秋鮭、右は村上塩引です。
ロズマリ家族の食リポです。
購入したものとは違いますが、そのまま焼きました。
上が秋鮭、下が超辛口です。
「秋鮭はちょうどよい塩加減。
身がふんわり、本当に美味しい。
おにぎりにも合うかも。」
「超辛口はごはんが進みます。
何杯でもいけちゃうくらい。
身がしっとり、くせになりそう。
お茶漬けが最高。」
しゃけこさんにインタビューさせていただきました。
ー お店の歴はどれほどですか?
50年以上です。
(3代目の)私も30年以上になっていると思います。
ー こちらで働く前は、世界を飛び回るライターさん、とお聞きしましたが。
そうです。
ルポルタージュ的なことが多かったようです。
ー 専門みたいなものはございました?
ここへ来るきっかけにもなったんですけど、若かったからね。
環境に感化されていましたね。
ー 突然、「ここで働かせてください。」ということでしたね。・・・
ー質問は変わりますが、建時(たてとき)って、どんな時鮭なのですか?
漁港が違うんですよね。
建時というのは定置網で獲っているんですよね。
釣りじゃけ、釣っている鮭もあります。
それぞれいいところと悪いところがあるので、釣りじゃけなんかはお歳暮に割とご利用いただくトキですね。
ー 全国にお客さんがいらっしゃる、本当に有名なお店なのですね。
そうなんですよね。ありがとうございます。
全国のしゃけ好きなひとに発送しているので、どこのかたでも。
トキがはやる前から、地方のお客さんが多かったんですよ。
FAXや電話をいただいて発送したり。
ー 店売りと発送の割合はいかがですか?
年末はお歳暮があるので発送の方が上回りますね、件数・金額とも。
一人のかたが3人に贈る、5人に贈る、というのがあるので。
ここにいらっしゃるかたは、お正月の「年取り魚(としとりざかな)」として鮭が使えるので。
1年の初めにそれを焼いて食べる、それを「年取り魚」って言うんです。
地方によって、北陸だと「ブリ」だったりするわけですけど、関東以北では鮭なんですよね。
そんな文化的な意味で鮭を買いに来られるかたが多いのよね。
塩鮭は冷凍してきちんとラップなどすれば「賞味期限1か月」って申し上げるんですけれども。
そのくらいは十分もつので、今からお正月の買い物にもいらしてますね。
冷凍しておいて、それを解凍してお正月に召し上がる、っていうのが多いですね。
ー ホームページに「鮭のおにぎり100選」を掲載されていますね。
レシピは年末までに80にする予定です。
私がやってみてすごくおいしいことに自分で気付いたので、途中できりがなくなっちゃって(笑)。
今ですと、
・ 鮭とカブ
・ 鮭とクワイ
・ 鮭とセリ、百合根
そういうお正月料理にちなんだものも、実は一緒におにぎりににぎれるっていうことですね。
食材によって揚げたり漬けたり。
カブだったら塩漬けにするとか、クワイだったら揚げるとか、百合根だったら炊き込むとか。
ー 他にこの時期の鮭料理は?
お正月は「焼き漬け(やきづけ)」、こぶだしで焼いた鮭を漬ける。
酒粕で煮る、「粕煮(かすに)」。
石狩鍋とか三平汁(さんぺいじる)とかのお鍋もあったまりますね。
ー これから忙しくなりますね。
これから1か月、正念場ですね。
ご来店いただくのでしたら、午後3時過ぎだと片づけたりもしはじめますので、3時前の方がいいと思います。
好みを言っていただければ、それに合わせたものが出せますので。
ー 家族構成とかもですか?
そうなんですよ。
ひと切れから1匹まで、どのような単位でも売ります。
割と甘めの時鮭とかはお子さんでもOK。
秋鮭も新ものですからしょっぱくないので、おいしいですよ。
年が明ければだんだんしょっぱくなる味もお楽しみいただけます。
ー 「ルイべはマグロよりおいしい」とおっしゃっていましたよね。
それは本当です。
うちの鮭でしたら、切り身をこういう薄切りにして使っていただけますので、ご家庭でもできます。
ただ、凍っていないとご家庭の包丁ではうまく切れないと思います。
鮭を凍らせて切る、というのがポイントですね。
ー 市場はいつごろ行かれるのですか?品選びのポイントは?
市場では品物が夜の午前0時台に出たりもします。私はそんなに早くは行けませんが。
産地もあり、部位もあり、塩の辛さもあり、いろいろです。
こういう顔付きの鮭は、市場でも売る人たちが少なくなって。
うちは1年中、顔のついた鮭が買えます。そういう意味では希少なお店です。
ー 今年は豊漁とは言えないですよね。
そうですね。トキも希少価値になってきて。
今人気があるセット売りは、時鮭とイクラをセットにするとか。
予算を言っていただければ、1万円ですとか5千円ぐらいですとか、それに合わせて組み合わせすることもできます。
ー 鮭の産地にも行かれていますね。
できるだけ産地には行こうと思っています。
ー 船で漁にも参加させていただいたんですよね。
基本的に、漁は女の人は乗せない、って言っていましたけどね。
肉体労働なので、女の人の力は必要ないだろうし。
漁は難しいんですよね。
ー いろいろお答えいただきありがとうございました。
鮭の店 昭和食品
築地4-13-14
旧場内市場脇の「波除通り」中央の「ぷらっと築地」さん前の、玉子焼の山長さん角の「築地中央通り」、入って右4軒め。
玉子焼の松露(しょうろ)さんの2軒隣りです。
電話・FAX 03-3542-1416
営業時間 6:00~15:00頃
定休日 日曜・祭日、休市日(きゅういちび)
※ 休市日につきましては11月28日掲載の「ぷらっと築地」さんの記事にて説明済です。
ただし、1月1日~4日は休業します。
昭和食品さんのホームページはこちら