XX通りの白いハナモモ
写真は3月20日に中央区内某所で撮影したものです。(街路樹として植えられている数十本の中のひとつです)
ハナモモといえば紅色やピンク色といった、華やかな女性っぽいイメージがありますね。ひな祭りの花なので、より一層そういう感覚になるのかもしれません。
赤系のハナモモについての過去記事もたくさんあって、Hanesさん(2020)、サムさん(2017)、ジミニ―クリケットさん(2018、2017、2016)がレポートしておられます。サムさんは観賞用に改良されたハナモモ「キクモモ」や「源平桃」についての記事も多いです。銀造さんの記事にもハナモモに言及されたものもありました。
しかしここに植えられている数十本のハナモモはすべて白一色。本当に純白で、これはこれでウェディングドレスとか白無垢を髣髴する、女性っぽいイメージになるので不思議ですね。(※個人の感想です)
中央区内某所とは
ちょっと引いた構図の写真を撮ってみました(逆光でスミマセン)。
「ん?奥に見えるのは東京駅八重洲口?なーんだ、某所とかXX通りとかもったいぶって、要するに八重洲通りじゃん」という声が聞こえて来そうです。もちろん私も最初は普通に「八重洲通りでハナモモがそろそろ見頃です」と書こうと思っていました。(実際、日常会話としてはそれで十分通じると思います)
しかし、違うのです。
正式にはこのあたりの道路は八重洲通りに見えて八重洲通りではありませんでした。
中央区道路愛称名一覧をよく見ると、八重洲通りとは「京橋一丁目18番から新川二丁目12番の間」になっています。言い換えれば、昭和通りとの交差点から鍛冶橋通りとの交差点まで。意外と短い。
とすると、このあたり、外堀通りと昭和通りの間はいったい何なのか?
それは『特例都道408号八重洲宝町線』という、全長わずか366mという短い「都道」だったのです。N700系の新幹線の長さが404メートルですから、新幹線より短い!(ちなみに八重洲通り本体は中央区の「区道」です)
地図で示すとこう ↓ なります。新川から月島に向かう部分も都道なんですね。
都道について
都道だったんだ・・と再認識して眺めてみると、たしかに昭和通り・外堀通りという始点終点の場所には標識が立っていました。「408」という素っ気ない表示だけで寂しいですけど。
また、「特例都道」という名前も聞きなれない言い方ですが、どうやら道路法第7条という、都道府県道を決めるための法律によらず、「都内で完結する道路は都知事の判断で都道にして構わない」というスーパールールで決められた道路のことだそうです。
とにかく、要するに白いハナモモを植えてくれたのはどうやら東京都だったということがわかりました。具体的には東京都建設局。さらにいえば、千代田区・中央区・港区を管轄する「東京都建設局第一建設事務所」が育ててくれているようです。
408号線沿いには数十本のハナモモが植えられていますが、残念ながら中央区の街路樹リストには反映されないようです・・・
東京都の街路樹事業
東京都は街路樹事業に結構力を注いでくれているようで、「TOKYO 道路のみどり」という街路樹マップを毎年出版しています。(写真は私の持っている2018年版ですが、今は2019年版が出ています。ちなみに、普通の書店やamazonでは売っていないので購入はちょっと面倒かも)
マップを見るとすぐにわかるのですが、東京都が出版しているからといって都が管理している街路樹だけではなく、区が管理している街路樹も詳細に掲載されていて結構便利です。特に中央区付近は「都心拡大図」で細かく記載があるのですが(図右がその拡大図の中の一部の拡大)、情報量多過ぎます!(^^)
道路に引かれたラインの色や線種が街路樹の種別を表していますが、それ以外にも「ぜ」とか「や」とか「い」とあるのは全て街路樹の名前の略号です。凡例も膨大で、印刷してある状態だととっても読みにくいので、私はカラーコピーをpdfに落としてタブレットなどから拡大して参照するようにしています。。
あまりのレベルの細かい出来栄えに、これは決して「都の業務の一環で作業者が義務感だけで作ったマップ」などではなく、「都庁でも有数の街路樹マニアの作品」ではなかろうか?と思えるくらいです。(※個人の感想です:笑)
そういえば去年も引っかかった
実は昨年の今ごろも「さくら通り」にしてやられた記事を書いたことがあるのですが、中央区の道路名称、あなどれないというか、意外と落とし穴が多いですね・・・(x_x)