ケアリイ

ハナミズキが満開です

お花見を自粛している間にソメイヨシノは散ってしまい、新緑が眩しくなってきましたが、今はハナミズキが満開です。桜のように派手ではないので、3密を避けた静かな散歩には好適かもしれません。

各所の公園でも見ることができますが、中央区では、箱崎湊橋通りから霊岸橋交差点経由で八重洲通りに向かう道路の街路樹がすべてハナミズキになっていて、私は勝手にハナミズキ通りと呼んでいます(^^)。

冒頭の画像は天気の良かった19日に、そのハナミズキ通りで撮影したもの。スマホでご覧のかたは是非ピンチアウトで拡大してみてください。画像の下の方に、花粉をつけすぎて困っているようにも見えるミツバチも写っていることがわかります(^^)。

 ハナミズキが満開です

地図で示すと右の赤いラインになります。

結構長いので、(数えてはいませんが)かなりの数のハナミズキが植えられています。

 

ハナミズキの花

ハナミズキの花 ハナミズキが満開です

ハナミズキには白と淡紅色の2種類がありますが、どちらもハナミズキ通りで見ることができます。せっかく綺麗に咲いているのに妙な解説をするのも興醒めかもしれませんが、美しく色づいている部分は花(花弁)ではなく、総苞片と呼ばれる、いわばつぼみを守る包み紙に相当するものです。(「花のように見える部分は実は花では無い」、というパターンは他にも結構ありますね)

 

 ハナミズキが満開です

本当の意味での花の部分は中心にあります。わかりにくいですがしっかり小さな花弁もあります。ハナミズキの樹は総じて背が高いので下から見上げることが多く、総苞片の中を覗き込むというのは結構難しいかもしれないですが。。。

日米友好の証

桜とハナミズキの間には暖かいエピソードがあります。

100年ほど前、日本からアメリカに寄贈された桜が、ワシントンのポトマック川近くに多くの花を咲かせていることは有名ですが、その返礼にアメリカから寄贈されたのがハナミズキだったのです。

以前のブログでジミニ―クリケットさん(20152016)・銀造さん(2016)も紹介されていますが、ここでは「レファレンス協同データベース(国会図書館が運営)」の記事をもとにご紹介してみます。

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発端は1904年、日本の桜の会の外国人会員でもあったフェアチャイルド博士が、観桜のお茶会を開いたことがきっかけだったようです。そのお茶会に参加していた人たちの中に、熱心な親日家であり、旅行家でもあった「エリザ・シドモア」の姿がありました。

特派員ブログでHanesさん(2019ほか)に何度か詳しく取り上げていただいていたあのシドモアですね。

 

そして1909年、ワシントンのポトマック河畔に公園造成計画を進めていたタフト大統領夫人に、シドモアが「日本の桜を植えてはどうか」と具申したのです。

それを受けたニューヨーク駐在総領事水野幸吉は、同年6月2日、外務大臣小村寿太郎に「華盛頓(ワシントン)ヘ桜樹寄贈ノ件」として、ワシントンに日本の桜を植える計画があるので、東京市長の名でワシントン市へ桜の寄贈をしてはどうかと打診し、寄贈プロジェクトが始動しました。

 

しかしその年の秋に寄贈された桜2000本は、残念なことに検疫で病害虫が見つかって焼却処分に。

その後、「今度こそ」と農事試験場で手厚い栽培を行い、1912年に病害虫のない桜苗木3,000本を無事に寄贈することができました。このときの東京市長が尾崎行雄です。

 

1915年に合衆国農商務省スウィングル博士が米政府の使者として東京市へやってきます。ワシントンの桜の生育状況の報告と、感謝の意を表するのが目的でした。

この時、博士は、北アメリカ産の国家的、国民的花木であるハナミズキを返礼として持参し、東京市へ寄贈、日比谷公園等に植樹されました。

 

ワシントンの第一回桜まつりは昭和2年(1927)4月16日に開催され、現在も季節になると桜祭りが開催されています。

ハナミズキ寄贈100周年記念切手

ハナミズキ寄贈100周年記念切手 ハナミズキが満開です

1912年に日本から贈った桜、1915年にアメリカから贈られたハナミズキ。これを友情の記念として、100周年にあたる2015年に「日米同時に」記念切手が発行されました。

 

アメリカで発行されたほうのものにも日本語で「友情」と印刷されている、なんとも粋なデザインです。

 

 ハナミズキが満開です

お出かけの際には十分ご注意を

お出かけの際には十分ご注意を ハナミズキが満開です

19日のハナミズキ通りの様子です。この場所自体は3密というわけではありませんが、わざわざ電車やバスなどの3密手段を使ってまで訪れるというのはお勧めしません。

ではどうするか?近所にお住まいのかたが一人静かに散歩で訪れるの一番ですが、近隣のかたであればオススメは「自転車」かもしれないです。車間距離?の関係で自動的に「疎」な空間もできますし、何より原則「一人乗り」なのが良いですね。

あと、冒頭にも書きましたが、ハナミズキ通り以外にも色んな場所でハナミズキを見ることができます。下記は江戸橋東南の橋詰公園のものです。背景のビルは三菱倉庫・江戸橋歴史展示ギャラリー(中央区まちかど展示館)も入っている、三菱倉庫ビルです。

 

 ハナミズキが満開です