俺の美人
美人画と言えば、中央区的には、竹久夢二や江戸時代の錦絵などが思い浮かぶ。
「俺」的には、昨年のまるごとミュージアムの時期、東京国立近代美術館で鏑木清方の「築地明石町」が特別公開されたのが記憶に新しい。
ところで、今どきの多様性が尊ばれる世の中で、「イケメン画」というジャンルがないのはいかがなものか。
イエ、別に見たいというわけではないのですが、美人画のカテゴリーは昔からジェンダーが固定されており、描き手は男で、対象は常に女性でした。
なぜ美男子が絵のモティーフとなり得ないのだろう。
近代日本画の流れの中でも、美人画へ眼差しは男目線であり、基本的に皆さんメンクイなわけで。
西洋にも似たようなジャンルはあるそうですが、ウイキペディアによると「美人画」という名称自体は日本が発祥の地だそうです。
洋画の場合清楚な婦人像や可憐な少女が主流で、遊女や花魁など、男性特有の妄想をかきたてるような美人画というコンセプトは、日本固有のものと言えるらしい。
古式ゆかしい日本女性像
例えば、上村松園などは、初めて女性目線で美人画を描いた画家だったのかもしれない。
描き手や鑑賞者の性を問わず、日本的な女性に望ましいとされる、やや因習的とも言える美徳が、我が国の美人画にはあるような気がする。
どこか奥ゆかしい感じがして、今風に言うなら「盛られて」いないシンプルさが魅力だと思う。
気合いの入ったメークで攻めてくる女子よりは、すっぴんで和む女性の方がいい(個人による見解です)
俺は単純にメンクイなだけで、正直どっちでもいいんだけど…(>_<)
芸術と文化の狭間にいる美人
というわけで、現在、日本橋で開催中の「美人画ボーダレス2020」展に、濃厚接触してきまスた(*7月12日まで)
【日本橋大伝馬町2−5 石倉ビル4階 みうらじろうギャラリー】
区境を跨いで中央区への突入は、まる2ヶ月ぶりなんで気分が上がる〜♪
こちらは現代アートにおけるポップな美人画展です。
作家さんには女性も多く、現代女子を美人画風に描くという試みなのか、「ボーダーレス」というネーミングセンスに粋を感じてしまう。
俺はこの「ボーダーレス」のメタ・メッセージには、アートとサブカルのグレーゾーンを感じた。
(同タイトルの書籍も会場で発売中ですが、展示作の図録というわけではない)
こういうのは、渋谷とか六本木あたりで開催した方が集客効果がありそうなのに、日本橋でやるというのがアッパレだ。
男目線で見つめていると、もやモヤむらムラしてくるものがありますが(個人による見解です)、全体的に健全でオシャレな内容となっております。
いい意味で目の保養というか、やはりこういうのは癒しになるなぁ...
ただ、絵や画というより、超精密なCGか写実的な表現で、日本古来の「美人画」を連想させるものとは趣が異なります。
まぁ、美術鑑賞というよりは、インスタをナマで見たという感じの印象でもありました。(個人による感想です)
面白かったのは、思わずブラジャーか?と思って目が釘付けになりましたが、実はマスクをキャンバスにしたような作品があって、「with コロナ」という、タイムリー?なコンセプトは、問題あるのかないのか知りませんが、ここにも芸術とサブカルチャーのボーダーラインを見たような気がする。
コロナ騒動がなければ、大盛況だったのかもしれませんが、俺が訪れた初日は閑散としており、より作品に濃厚に接することが出来まスた。
*入場無料ですが、マスク着用でお願いしますとのことです。
アクセス:地下鉄日比谷線・小伝馬町駅から徒歩2〜3分
*撮影・掲載した写真は全て主催者の了解を得ております。