Hanes

改めて知りたい日本茶と産地の伝統文化
@東京下町 春のお茶めぐり


こんにちは。アクティブ特派員のHanes(ハネス)です^^
20日(土)、21日(日)は、イースター、エリザベス女王の93歳の誕生日、中央区議会議員選挙・中央区長選挙とイベントが盛りだくさんで、久しぶりに外出をする休日となりました。

さて、一生に一度と思われる10連休がいよいよ目前に迫ってきましたが、もう一つ近づいてきたものがあります。
それは、唱歌「茶摘み」の「♪)夏も近づく八十八夜」でお馴染みの八十八夜です!
(八十八夜は、以前先輩特派員のジミニー☆クリケットさんがご紹介していた二十四節気立春から88日目のことを指します。)

留学中に日本文化紹介ブースのお手伝いをした際、"A cup of tea solves everything"と言う程、嬉しい時も悲しい時もお茶(紅茶)の欠かせない英国の方々よりこのような質問がありました。
「日本茶って色々な種類があるみたいだけど、どう違うの?」

抹茶・煎茶・ほうじ茶の違いや茶道文化について簡単な説明はできても、急に聞かれると、日本語でも返答に困る質問なのではないでしょうか。
思わず口ごもり、十分な説明ができなかった私は、お茶にこだわりのある方に対して、もっと日本茶の魅力や楽しみ方をお伝えしたいと思い、しばらく前から日本茶について勉強をしています。
(昨年12月に開催された「第72回全国お茶まつり 東京大会」レポートはこちらから:

そんな中、八十八夜に先立ち日本橋の綿商会館にて「東京下町 春のお茶めぐり」が開催されたので、日本が誇るお茶文化にふれに行ってきました。

「東京下町 春のお茶めぐり」とは

「東京下町 春のお茶めぐり」とは 改めて知りたい日本茶と産地の伝統文化@東京下町 春のお茶めぐり


今回初めて参加したこちらのイベントは、お茶から生まれる「感動」をさまざまなカタチでお届けしている日本茶ブランド「ニュータイトル」さんが主催しています。
前回参加した全国お茶まつりとは異なり、今回の約10の出展者さんはお茶農家ではありません。
他の仕事の傍ら、お茶に関するブランドを立ち上げた方々が集い、焼きものや和紙等、土地の伝統文化と合わせてその土地のお茶を紹介する形式となっていました。
デザイン性の高いパッケージに入ったお茶は飲む前の気分を高め、こだわりの器で飲むことで味も変わるような気がしませんか

改めて知りたい!「聞いたことがある」お茶の産地とその伝統文化

今回会場で楽しむことができたのは、選りすぐりの出展者たちが日本全国のお茶の産地より持ち寄ったお茶、急須・茶器、そして伝統文化!
お茶の生産者および茶器の作り手の顔が見えるというのも、このイベントならではの魅力です。

(上段、下段中央)「てぽた」さん
半世紀以上続く焼きもの屋さんに生まれ育った方が立ちあげたブランドです。九州の個性的なお茶とオリジナルデザインの茶器を提供していました。

(下段左)「WACHAEN」さん
薩摩焼で知覧茶を愉しむことができました。
その土地のお茶をその土地の焼きものでいただいたら、なおさら美味しく感じそうですよね^^

(下段右)「Sgr;(エスジーアール)」さん
農林水産大臣賞受賞の朝宮茶や信楽焼をメインにご紹介していました。
その中でも特に気になったのは、滋賀県朝宮産茶の実油と茶葉を使用したソース「グリーンティージェノベーゼ」!
お茶の木はツバキ科の植物で、実から搾れる油(茶実油)は昔から「東洋のオリーブオイル」と呼ばれ、健康維持、食用、医薬品として珍重されてきたそうです。

 改めて知りたい日本茶と産地の伝統文化@東京下町 春のお茶めぐり


こちらの会場では、お好みのブースで試飲もすることができました。
迷いに迷った挙句選んだのは、岐阜県東白川村からの出展となる「添い」さんのブース。
岐阜県のお茶について知りたいという気持ちは勿論、ブースに展示されている上品な商品に惹かれたというのも選んだ理由の一つです。
素朴かつ上品なお茶のパッケージは、贈り物にもぴったりで、五節句をテーマにした透かしの入った懐紙(美濃紙使用)等こだわりの商品もありました。

そして、肝心のテイスティングでは、在来茶(藤)を二煎いただきました。
冷ましたお湯で淹れた一煎目にはうまみと深みを感じ、より熱めのお湯で淹れた二煎目には苦みを感じました。
三煎目には、ごくわずかしか流通していない和紅茶(緋)をいただき、アールグレイに引けを取らない芳醇さとすっきりとした飲み心地が印象的に残っています。

 改めて知りたい日本茶と産地の伝統文化@東京下町 春のお茶めぐり


(左側上・中央)「青堂/小幡一樹」さん
日本茶インストラクターの小幡さんが、お茶になりたくて始めたブランド。
狭山茶の他、急須好きの間で注目を集めている急須を乾かすための道具「急須のぽたん」も展示されていました。
この道具のことは今回初めて知りましたが、日本茶映画部さん(後述)によると、海外の方からは「可愛い」と言われているようです^^

(左側下)「日本茶映画部」さん
日本茶ドキュメンタリー映画(今年の夏公開予定)を制作している日本茶ファンのコミュニティ。
担当の方曰く、実際に産地で作り手が見られるのも日本茶の良さで、産地や気候によって味や香りが異なる点はワインとも共通しているため、比較して楽しむこともできるそうです。
確かに、英国は紅茶で有名ですが、生産国と消費国が異なり、英国内で気軽に生産地を見に行くことはできません。

また、大の日本茶好きで知られるスウェーデン人のブレケル・オスカルさんについても、ここで初めて知ることになりました。
国内外に日本茶の良さを発信しており、2017年の初著書『僕が恋した日本茶のこと: 青い目の日本茶伝道師、オスカル』発売以降、ますます精力的に活動されているそうです。

 改めて知りたい日本茶と産地の伝統文化@東京下町 春のお茶めぐり


(右側上)スペシャルゲスト「黄檗売茶流 東京支社」さん
禅宗の黄檗宗僧侶による 「一碗のお茶を、より美味しく、より楽しく味わえるように。そして、そのお茶を通じてお互いの心を大切に」という考えと、 黄檗宗の茶礼をもとに発展した煎茶道の流派で、体験をすることもできました

(右側左)「茶しごと」さん
当日は、国産紅茶とインド紅茶の飲み比べができました。
近年では「和紅茶」という言葉を耳にする機会が増えており、各回の飲み比べは早々と定員に達する等、人気のブースの一つでした。

(右側右)IoT急須「teplo」さん
伝統文化とお茶をセットで提供する出展者さんが多い中、最先端のお茶の楽しみ方をご紹介。
このユニークな形をした急須は、茶葉の種類、心拍数、室温、湿度等に応じて抽出環境を調整し、飲む方にとって最高のお茶を淹れてくれるそうです!
急須もここまで進化しているのかと驚き、試してみたくなりました。

一通りブースを見て回った後、お茶と食のプロジェクト「食卓総合研究所」さんにて初めて目にしたお茶を使ったお料理をいただきました。
その名も「茶こ焼き」

 改めて知りたい日本茶と産地の伝統文化@東京下町 春のお茶めぐり


以前他のイベントで提供した際は、人気ですぐになくなってしまったというお茶と食を掛け合わせたオリジナルメニュー。
タコは入っていませんが、代わりにお茶のうまみ成分が多く含まれるケバ茶(茶葉の茎の表皮の部分を集めたお茶)がたっぷり入っています
そして、上にかかっているのは碾茶を含むマヨネーズ。
食感も味も両方楽しめ、冷茶と一緒に美味しくいただきました。

さて、ここまで中央区外のお茶の話がメインになってしまいましたが、今回の会場付近でも日本茶を楽しめるお店はあるのでしょうか。

日本橋人形町・日本橋浜町の日本茶専門店

日本橋人形町・日本橋浜町の日本茶専門店 改めて知りたい日本茶と産地の伝統文化@東京下町 春のお茶めぐり


本イベントのチラシでもご紹介されていましたが、綿商会館周辺には、以下のような日本茶専門店があります。

日本茶カフェ「ShiZen Tea」(日本橋人形町3-4-11)
ほうじ茶専門店「森乃園」(日本橋人形町2-4-9)
日本茶スタンド「日本茶屋 ハトハ」(日本橋人形町2-1-9 日本橋Tビル1F 日本橋マルシェ内)
日本茶サロン「サロン・ド・テ パピエ ティグル」(日本橋浜町3-10-4)

こちらでは、日本茶のみならず、ペアリングが楽しめるおつまみ、お茶スイーツ、贅沢な抹茶等も提供しており、江戸情緒残る人形町にて、ほっと一息つきたい時に立ち寄りたいお店ばかりです

また、新茶・一番茶はその後のお茶よりも栄養価が高く、八十八夜に摘んだお茶は古来より「病気にならない」「長生きする」等と言われています。
紅茶やコーヒー文化が浸透し、日本茶はペットボトルでしか飲まないという方も増えてきた現代...
訪日観光客を含め日本茶への関心の高まりが予想される中、改めて日本茶の神髄を堪能してみませんか。

※カネカ北川製茶株式会社(本イベントを主催するニュータイトルの運営会社)のご担当者様より、本ブログでのご紹介許可をいただいております。