『思い出ベンチ』
元フジテレビアナウンサー、中村江里子さんのご実家が
創業130年を越えるハープの取扱いで有名な
銀座の老舗楽器店「十字屋」であることは、誰もが知るところ。
フランスの方と結婚され、2001年から生活の拠点をパリに移されています。
衣・食・住、すべてにおいてスタイリッシュでありながら
良きことも大変なことも等身大で語られるエッセイやブログが適さかで
同世代の女性の憧れの的、おおかたの人がフォロワー登録してるのでは。
2021.02.02のインスタグラムに
何やら見覚えのある風景がUPされていました。
*****(インスタの記事より抜粋)*****
『中央区の石川島公園に私達家族にとって、大切な場所があります。
2005年、父がなくなりました。
父の仕事場であり、父が愛した銀座に何か残せないかと家族で考えました。
そして、銀座ではないのですが、中央区の石川島公園に
メッセージと共に、ベンチを置かせて頂きました。
実は石川島公園にはパリ広場があります。
公園の目の前を流れる隅田川はセーヌ川と友好河川なんですよ!!
(中略)
ベンチがかなり傷んできたので、交換することになりました。
また、きれいになってここに戻ってくるのを楽しみに待っています!』
さて、わたくし。
常々『わたしは、何かを持っている。』とハンカチ王子並みの自信がありましたが
自身でも仰天の出来事が。。。
江里子さんの記事を読んでから
「これは、同じ場所で写真を撮ってブログにUP出来たらいいなぁ」と想っていても
仕事で出先から直帰したり、寒すぎて断念したり、気持ちの上で延ばし延ばしに。。。
ところが、2021.02.18
越中島の倉庫で作業を行った後、直帰という事になったのです。
越中島からベンチがある公園までは相生橋を渡って対岸です。
これは取材チャンス到来!!!
PM14:30ぐらいにベンチがあると想われる場所へ。
むむむ。
むむむ。
なんと!!!
江里子さんの思い出ベンチが、今まさに手当てをされている真っ最中ではないですか!!!
『わたしは、持っている。。。』
現場監督さんにお話を伺うと
工事を行っているのは都から委託された造園業者で
朝からパリ仕様のベンチを8基手当てし、この思い出ベンチが最終とのこと。
日にち、時間が、ちょっとでもずれたら、この現場には立ち会えなかったわけで
チャンスの神様に感謝です!!!
「隅田川の河口だから、やっぱり潮風で痛みが早いんですよ」と
取り外した板を見せてくださいました。
「思い出ベンチ事業」とは
東京都が実施している「民間の活力の導入・規制緩和」の一環で
公園等の古くなったベンチを、寄付を募って新しいベンチへ交換するもの。
寄付されたベンチには記念プレートを取り付け、
思い出を目で見える形で残すというコンセプトで
平成15年(2003)からスタートし、これまでに1046基設置されているそう。
毎年度、募集される公共施設は異なるようです。
https://www.kensetsu.metro.tokyo.lg.jp/jigyo/park/tokyo_kouen/omoide/index.html
工事完了。
「江里子さ~ん。ただいまベンチが美しく甦りましたよ~。」
思い出ベンチに腰掛けて目の前のパノラマを楽しみます。
視線左から、永代橋~スカイツリー~ヤマタネ倉庫~相生橋へ
ゆったりとセーヌ川が。。。いえいえ、大川が流れています。
背には佃のタワーマンシヨン。左手奥には中央大橋。最高のロケーションです。
佃島界隈を街歩きでガイドすることがあれば
必ずや皆様をご案内したいと強く想ったのでした。
おまけ
これがパリ仕様のベンチ。
身長が高くて足が長い方でないと、靴底がぶらぶらしちゃいます。