楚々 庭園の梔子と夏詣
江戸城の出城機能も果たした徳川将軍家の庭園では、真っ白い八重の花が咲き芳香が漂っていました。
古来、クチナシには四徳があるといわれています。これは、「純白の花、清純な香り、冬でも青々と茂る葉、橙色に熟す果実」です。
熟した果実は、昔から漢方薬の原料として利用されています。江戸時代には熟した果実を潰して水に浸し、その黄色い色素を含んだ水で炊いた飯は、大晦日や節句の時に、行事食になっていました。
旧稲生神社が庭園内に鎮座しています。
浜離宮から隅田川対岸の勝どき、その向こう側には晴海地区が広がる眺めです。