中央区の名建築(5)電通銀座ビル
電通銀座ビル(銀座7-4-17)は、電通の前身である日本電報通信社の本社ビルとして、昭和8年
(1933)に竣工しました。
鉄骨鉄筋コンクリート造り、地下2階・地上8階、高さは30m(塔屋を除く)、設計は
三越日本橋本店、旧帝国劇場などを手掛けた横河工務所(横河民輔所長)です。
昭和初期のモダニズム建築。 1階部分外壁は、石貼りをベースにガラスブロックが配置されています。
2階以上の上層部は、深い緑色のタイル貼りの外壁に特徴的なシカゴ窓(左右に上げ下げ窓をもつ大型の窓)
が並びます。
竣工時、社業の発展を展望し、東京 − 福岡間の専用電話線、写真電送設備などの通信施設も社屋内に
設置されました。
この銀座の本社社屋は、昭和42年(1967)の築地新社屋への本社移転まで34年にわたり電通躍進の
本拠となりました。
正面玄関の意匠
玄関上の壁に見える星形のマークは、電通創業者である光永星郎氏の名に因むものであり、また、
かつての電通の社章でもあります。
さらに、このマークの左右にレリーフが刻まれています。
写真左が吉祥天像で、富や繁栄・豊穣をもたらす女神とされています。
右は広目天像です。 右手に筆、左手に巻物を持ち、「千里の遠くをも見通す神」とされています
深い緑色のタイル貼りとシカゴ窓
2階以上の外壁は、深い緑色の小さなタイルが貼られ、横長のシカゴ窓が並びます。
角地に湾曲した隅の壁面
外堀通りと交詢社通りが交差する角地の隅は、石貼りとガラスブロックの湾曲した壁面となっています。
エレベーターホールのモザイクタイル
エレベーターホールの壁には、モザイクタイルが施されています。
特に、エレベーター上部のモザイクタイルは、色彩とデザインに優れた装飾となっています。
《 エレベーターホールの画像は、許可を得て撮影しています。》