「装飾をひもとく~日本橋の建築・再発見~」
日本橋高島屋で開催された「装飾をひもとく~日本橋の建築・再発見~」は、2020年9月から2021年2月21日まで開催され、勉強の為10回ぐらい訪れました。高島屋史料館の方には大変お世話になりました。https://deepland.blog/takashimaya-nihonbashi/
メモを取っていると、「装飾をひもとく 日本橋の建築・再発見」が本として発行されると聞いて大喜びして、誠品生活日本橋店に注文しました。 五十嵐太郎、菅野裕子両氏のサイン入りで届きました。 感激です。
第一章 様式の受容、第二章 和風の融合、第三章 現代への継承、第四章 百貨店の建築展などのテーマごとに、日本銀行本店本館、三井本館、日本橋高島屋S.C.本館、日本橋三越本店本館、名橋・日本橋(変形された擬宝珠の説明なども含む)、スターツ日本橋ビル、東京日本橋タワー、日本橋御幸ビル、野村證券日本橋本社ビル、コレド室町1・2・3、日本橋室町三井タワーコレド室町テラス などの建築物について書かれています。
コリント式の円柱 アカンサス
「歩いてわかる 中央区ものしり百科」には、
『三井本館は、昭和4年(1929)、三井の主要各社が入るオフィスビルとして竣工した。 建物に関する詳細は、文化財を鑑賞する・国指定重要文化財(P126)へ。」とあり、P126には、
『三井本館 外壁を囲む円柱など優れたデザインが光る・・・・・・
建築家の横河民輔が設計した旧三井本館(明治35年竣工)が関東大震災で被災したため、昭和4年(1929)に三井の主要各社が入るオフィスビルとして竣工した。地上7階・地下2階、鉄骨鉄筋コンクリート造の建物で、関東大震災の2倍に相当する地震に耐えられるようにつくられたといわれる。設計・施工は当時の最高水準を誇った米国の会社が起用されている。 圧巻なのは建物の外壁に取り付けられたコリント式オーダー列柱である。また、内部1階のドリス式円柱群と吹き抜けの大空間などもデザイン・施工ともに見応え十分で、昭和初期を代表する建物として評価が高い。 なお、地階には・・・(中略)。平成10年(1998)に国の重要文化財に指定されている。』
との記述がありますが、残念ながら、「列柱のデザインの基となった植物名や、三井主要各社の事業を象徴するレリーフについての説明がありません。
列柱に彫られている植物は、アカンサスと言って、昭和初期の建物にはモチーフとしてよく採用されています。列柱の天辺の花が、優雅さを醸し出していると思います。
そして、「装飾をひもとく 日本橋の建築・再発見」には、 コリント式柱頭の植物について、標準的なデザイン、アバクスの中央は6枚の花びらを持つ花で飾られる、etcが詳述されています。 大変価値ある立派な本です。
これからの日本橋探訪には、必携のガイドブックです。
アカンサス 植物は日比谷公園でも見られます
写真は近所で成長しているアカンサスの茎と花を撮影したものです。日本橋からなら、日比谷公園で見られます。 公園内の場所は、心字池に近い方の第一花壇で見られます。 6,7月頃なら、タイサンボクの甘い香りと白い花を見られると思います。6月中旬までなら、甘い香りのバラも見頃です。