はじめ

「父」の像@中央区

今年(2021年)のNHK大河ドラマ「青天を衝け」の主人公であり、9月1日から印刷が開始された新1万円札(発行は2024年度上半期)の肖像画に採用された渋沢栄一。「日本資本主義の父」と呼ばれています。千代田区常盤橋公園に設置されている渋沢栄一像に触発されて、中央区にある「父」の像を訪ねてみました。

「近代郵便の父」前島密像

「近代郵便の父」前島密像 「父」の像@中央区

前島密(まえじま ひそか、1835~1919年)

場所:東京都中央区日本橋1-18-1 日本橋郵便局

ポストと切手を用いた日本の近代郵便は、1871(明治4)年に東京~大阪間ではじまりました。新制度の主な創設者のひとりで「近代郵便の父」と呼ばれる前島密の胸像が、日本橋郵便局前に設置されています。この地には、近代郵便制度の発足時に駅逓司(後の郵政省、現・総務省)と東京の郵便役所(現・中央郵便局)が置かれました。

 「父」の像@中央区

胸像と1円切手の肖像を比較してみるのも一興かもしれません。

 「父」の像@中央区

今年4月に日本郵便のゆるキャラ「ぽすくま」の新1円切手が発売されましたが、70年間親しまれた前島密の1円切手の販売も続けられています(2021年10月1日現在)。

「地下鉄の父」早川徳次像

「地下鉄の父」早川徳次像 「父」の像@中央区

早川徳次(はやかわ のりつぐ、1881~1942年)

場所:東京都中央区銀座4-1-2 東京メトロ銀座駅

最近、中央区観光協会特派員ブログで取り上げられた「地下鉄の父」と呼ばれる早川徳次の胸像。東京メトロ銀座駅エリア(地下コンコースB7・B8出入口付近)に設置されています。像の横に置かれた説明板によると、東京地下鉄道株式会社を創設し、1927(昭和2)年12月30日にアジア初の地下鉄(浅草~上野間2.2キロ)を開業したそうです(その後、銀座、新橋へと延長)。

ちなみに早川徳次像の作者、朝倉文夫は「東洋のロダン」と呼ばれた彫刻家で、代表作は最高傑作ともいわれる「墓守」。早稲田大学早稲田キャンパス内にある大隈重信像や東京国際フォーラム内にある太田道灌像も彼の作品です。

 「父」の像@中央区

写真:東京国際フォーラム(東京都千代田区丸の内3-5-1)内の太田道灌像