幻の花アガベ・ベネズエラの開花はいつ?
昨年10月頃からSNSを中心にひそかに話題になっている中央区の植物がある。
数十年に1度開花するという珍しい性質をもつ竜舌蘭の一種「アガベ・ベネズエラ」だ。
東銀座駅からほど近い築地川銀座公園の中、青天を衝く勢いですっくと佇んでいるアガベ・ベネズエラの今の状況をレポートする。
アガベ・ベネズエラはいつから築地川銀座公園に?
アガベ・ベネズエラの開花が近いという噂を聞いて築地川銀座公園に足を運んだのは、2021年11月上旬のこと。
その時には既に、公園内にある6株のアガベ・ベネズエラすべてから、4メートルほどの巨大な花茎がすっくと(というか、にょっきりと)伸びていた。
その姿を見て「あれ、この公園にこんな目立つ植物あったっけ??」と少し戸惑い、あたりを見回すと、足元にこんな張り紙があった。
なるほど、どうやら公園の花壇部分の改修にあわせ、2018年に植えられたようだ。
植栽されてから数年間、この植物の存在を私は認識しないままだったが、開花に向けて花茎が一気に伸びたことで姿が大きく変わり、公園の中でひときわ強い存在感を発揮するようになったのかもしれない。
変化があるようなないような…直近1カ月の蕾の状況
昨年12月上旬に撮影した写真と、最近撮影した写真を比べると、残念ながら一目でわかるような大きな変化は見られない。
左 2021.12.9撮影 | 右2022.1.21撮影
しかし、よーく見てみると、12月時点では枝先にある蕾部分がブロッコリーのように濃い緑だったのに対し、1月時点では心持ち明るい黄色みがかった緑色になってきている。
アガベ・ベネズエラは開花すると、小さな筒状の蕾から黄色いおしべとめしべだけが出てくるという。
黄色いおしべとめしべの存在が蕾の外からもなんとなく感じられ、蕾の形もふっくらしている様子をみると、素人目には「もうそろそろ咲きそうなのでは?」と思ってしまうが、実際のところはどうなのだろうか。
2018年に川崎市多摩区で咲いたアガベ・ベネズエラは、花茎が伸び始めたのが9月上旬、開花したのが11月下旬だった。目に見える変化が始まってから3カ月弱で開花したことになる。築地川銀座公園のアガベ・ベネズエラは10月中旬には花茎が伸びた状態が確認されているから、そろそろ3カ月近くになる計算だ。
大寒を過ぎ、これから徐々に温かい日も増えてくる。
ゆっくり近づいてくる春のように、築地のアガベ・ベネズエラの開花をのんびり静かに待つことにしよう。
アクセス情報:築地川銀座公園
■築地川銀座公園
〒104-0045 東京都中央区築地1-13-20
東京メトロ日比谷線・都営浅草線「東銀座駅」5番出口徒歩1分