東京ダンボ

Café Musée H (カフェ・ミュゼ・アッシュ) 
ミュゼ浜口陽三・ヤマサコレクション

中央区蠣殻町にあるCafé Musée H (カフェ・ミュゼ・アッシュ)でマーブル醤油アイスセットをいただいてきました。

Café Musée H (カフェ・ミュゼ・アッシュ)は、銅版画家・浜口陽三の作品を紹介する個人美術館「ミュゼ浜口陽三・ヤマサコレクション」に併設された小さなカフェです。

 Café Musée H (カフェ・ミュゼ・アッシュ) 
     ミュゼ浜口陽三・ヤマサコレクション

美術館の館名からもわかるように、今回いただいた醤油アイスにはヤマサ醤油が使われています。

ヤマサ醤油株式会社の黒蜜風醤油がバニラアイスに混ぜ込まれ、風味豊かでまろやかな口あたりです。季節のアイスのサクラアイスと薫り高いエスプレッソと伴に美味しくいただきました。
 美術館に入館すると150円引きと割引が受けられます。

ミュゼ浜口陽三・ヤマサコレクション

ミュゼ浜口陽三・ヤマサコレクション Café Musée H (カフェ・ミュゼ・アッシュ) 
     ミュゼ浜口陽三・ヤマサコレクション

浜口陽三の作品を収蔵・展示する美術館で、1998年11月ヤマサ醤油株式会社が開設しています。
 
美術館の学芸員補佐・広報の下澤希望(シモサワ ノゾミ)さんにお話を伺いました。

浜口陽三は、カラーメゾチントという独特の銅版画技法を開拓した版画家で、百科事典「エンサイクロペディア・ブリタニカ」の “メゾチント” の項目には「カラーメゾチントの開拓者」として掲載され、日本の教科書「高校美術1」には「浜口陽三の用いた銅版画の技法をメゾチントといいます。鏡のように平らな銅の板を、縦横斜めに傷つけて、布目のような地を作ってゆく方法です。木版画とは正反対に、プレス機で刷った時には、傷つけたところに色が入ります。ビロードのような黒を表現するためには、表面が一面に滑らかな凹凸をもつまで、気の遠くなるほどの時間をかけて、銅板を細かく刻んでいかなければなりません。

メゾチントは、もともと西洋で油彩画の複製等に用いられた印刷技術でした。19世紀に写真技術が発明されると、ほとんどすたれてしまいましたが、20世紀に入ると、今度はこの黒に魅かれて、版画家たちが芸術表現として復活させます。その一人が浜口陽三です。彼は、モノクロの世界に飽き足らず、赤、青、黄、黒の4色の版を作って刷り重ねるカラーメゾチント技法を開発しました。」と記述されています。

 Café Musée H (カフェ・ミュゼ・アッシュ) 
     ミュゼ浜口陽三・ヤマサコレクション

浜口陽三は創業360年、歴史あるヤマサ醤油第10代目社長濱口儀兵衛の三男として生まれました。父儀兵衛は南画収集家で、自らも南画を学んだ人でした。さかのぼれば、5代目濱口灌圃は江戸後期に活躍した南画家で、濱口家は芸術に秀でた人物を多く輩出した家柄でもあったそうです。また、この美術館とカフェのある場所は、目の前を首都高速の箱崎JCTが横たわっていますが、高速道路建設のために埋立てられる以前は箱崎川が流れ、物資を荷揚げする河岸(蛎殻河岸)にあるヤマサ醤油の倉庫だった建物で、改装して使用しているとのことです。
 
倉庫の名残として、美術館とカフェをつなぐ箇所には鉄製の斜路がありますが、運搬用具が通行しやすくするために置かれたもので、展示室の1階から地下に向け螺旋階段も、以前はこの位置に荷下ろし設備があったそうで、建築家のエドワード鈴木氏に倉庫としての歴史も踏まえてデザインしてもらったとのことです。

 

 Café Musée H (カフェ・ミュゼ・アッシュ) 
     ミュゼ浜口陽三・ヤマサコレクション

 

水天宮へのお参りやロイヤルパークホテルでの会食・会合、T-CATからの帰りにちょっとホッコリできる素敵な場所です。
現在は「浜口陽三、ブルーノ・マトン展 ― ひとつ先の扉」と題し、二人の展覧会を開催しています。展覧会に合わせてイベントやワークショップも行われます。