老舗の漆器店「黒江屋」
中央区・日本橋の南詰すぐそばにお店を構え、江戸時代から続く老舗漆器専門店の黒江屋さんに取材に伺いました。
創業は元禄2年(1689)、徳川幕府は5代綱吉が将軍の頃。今年は創業333年になるようです。
老舗の心得をお伺いしたところ、
心得のひとつとして、第10代孫左衛門「儲かる仕事はすぐ競争者ができて儲からなくなるものである。儲からない仕事を自分の信用 工夫 努力などに依って採算にあうようにするのが本當の商売であり これが永く続く仕事である」-との言葉が残されているとのことでした。
時代の変化に常に対応して来られた原点のように思いました。
中央区推奨土産品
「溜内朱百合型汁椀撫子」ご紹介
中央区観光協会の中央区推奨土産品に出ている「溜内朱百合型汁椀撫子」は、名前が難しくて読めませんよね!
教えていただきました。「ため・うち・しゅ・ゆり・がた・しるわん・なでしこ」と読むそうです。
名前は4つの事を表していて、初めの溜内朱は色で、外側が溜、内側が朱色。次の百合型は上部が百合の花のような開いた形。汁椀はその名の通り。最後の撫子は”なでしこ”の蒔絵が施されている。ということとのこと。まるで文化財の名前のようす。
普段用に手軽に使える漆器をと、作られたもので、黒に見えていた部分は「溜」といって、朱色を塗ったあとに透明な漆を塗ることで、深みのある漆ならではの美しい色になります。手に取って眺めて初めて気が付くことができました。
木粉合成品の木地に、中塗り、上塗りなどを施した後、撫子の絵は1点1点手書きで描いているため、まったく同じものは無いそうです。漆器にしてはお手頃なお値段 2,750円(税込)です。※2022年6月現在
セールが開催中
6月15日水曜までは、黒江屋漆器市と銘打ったセールが開催中です。
今回のコンセプトは「ポータブル」。漆製品を持ち運んでも楽しんでもらえる、お弁当箱や箸箱、そして産地特集の甲州印伝など、たくさん取り揃えていらっしゃるそうです。
*こちらの写真は、取材中に気になった「ポータブル」の品物ですが、セール対象かは、ぜひ、お店で確認して見て下さい。
セール期間 6月6日(月)~15日(水)
会期中無休
9時30分~17時30分
セール会場 黒江屋国分ビル 2階、4階
これからの黒江屋さんは?
コロナ禍前には、外国語のガイドブックに紹介されている黒江屋の記事などを参考に多くの外国人の方が来店され、中には、空だったスーツケースに入りきれない程の漆器を購入された方もいらしていたそうです。
6月から海外からの観光客の受入れが拡大されましたので、またインバウンドのお客様が大勢戻ってきて、黒江屋さん、そして日本の漆器を応援して欲しいと思います。
住所 中央区日本橋1-2-6 黒江屋国分ビル2階
定休日 土曜日・日曜日・祝祭日
営業時間 9:00~18:00
「東京まんなかippinn堂」からお得にお求めいただけます。(期間限定)