一筆啓上 ー銀座の景色を添えてー
東京鳩居堂 銀座本店 から平成28年(2016)6月に発売された「一筆箋 銀座」です。中央区推奨土産品のモノ部門で入賞しています。縦書き用は銀座通りを走る都電や風になびく柳、街に光を灯すガス灯、「昭和の銀座」が描かれています。横書き用は銀座の中心、四丁目交差点から見える「今の銀座」を表現しています。
中紙には日本の伝統色である「栗(くり)色」「藍(あい)色」「藤紫(ふじむらさき)色」「若草(わかくさ)色」「山吹(やまぶき)色」の5色を取り合わせています。
鳩居堂さんにとって、また私たちにとっても銀座は特別な思い入れの深い街で、この一筆箋を手に取るとそれだけで一行書けたような気がします。メールでのやり取りが多くなったこの頃、誰かに物を贈るのに一言添えたい時、お礼やお詫び、何気ない日常の一言など気持ちを伝えたい時に、少ない文字の言葉でも手書きの思いが伝わり、書くのも、もらうのも嬉しくなりますね。
季節を届ける
昭和53年(1978)に登場したシルク刷りの絵はがき、四季折々の花や景色が描かれていて、その種類は200種にも。人気の商品で多くの人に愛用されています。シルク刷りとは、スクリーンとよばれる版板にインクをつけて印刷する方法で、もともとスクリーンの素材が絹であったことからの名称です。色味がはっきりと美しいはがきをは、デザインも斬新で、どれにしようか棚の前で迷うのも楽しい時間です。
お店の一階には、和紙の便箋、はがき、ポチ袋、祝儀袋、千代紙などの和文具が美しく並べられています。老舗ならではの品揃えの豊富さは、これからまた増える外国からのお客様にも喜ばれそうですね。
京都からの雅な伝統が香ります
二階はお香や線香、香立や香炉、筆や硯が置かれています。整然とした室内はお香の香りに満ちていて、和やかな気持ちになります。江戸時代後期から「香」を作るようになった鳩居堂は明治維新の頃、子女の教育に力を注ぎ教育塾を設置、小学校開設の基礎となりました。明治10年、太政大臣の三条実美から、900年来伝承されて来た「合わせ香」の秘方を授けられて、この優雅な平安の香りは大切に守り受け継がれています。
伝統文化を守り、伝え、育てる使命
明治13年(1880年)東京遷都の時に宮中の御用を勤めるために、皇居に近くて一本道で行ける銀座の四つ角に店舗を構え、今の東京鳩居堂のもとになりました。
長い歴史の中で一貫しているのは、「日本の伝統文化を守り育てる」理念です。店舗や商品を通して、日本の四季の豊かさや伝統産業の素晴らしい匠の技、奥ゆかしい文化ー日本の心ーを広め、教えてくれています。私たちもそれを受け取り、日本の伝統行事やしきたりを知って、心豊かに日常を送りたいと思います。
東京鳩居堂の島津様、田村様、貴重な資料やお話を有難うございました。
店舗情報
東京鳩居堂 銀座本店
住所:東京都中央区銀座5-7-4
電話:03-3571-4429
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