はじめ

ちょっと気になるビル@晴海

東京2020大会の選手村がいまどうなっているのかちょっと気になり、先日、いつものジョギングコースの隅田川沿いから晴海まで足を延ばしてみました。

選手村から新しい街へ「HARUMI FLAG」

選手村から新しい街へ「HARUMI FLAG」 ちょっと気になるビル@晴海

東京2020大会選手村は、「HARUMI FLAG」という新しい街へのトランスフォームが順調に進んでいるようです。2024年3月下旬から順次、入居開始の見込みで、新たに建設されるツインタワーマンション(2025年9月竣工予定)を加えると、全24棟、総戸数5,632戸(分譲4,145戸 + 賃貸1,487戸)、約1万2,000人が暮らす街となります。

「HARUMI FLAG」のHPによると、東京湾の新しい景観となることを意識して、同じ高さの建物が並ぶことなく山なりのスカイラインを形成。さらに、ゆるやかな非対称性を持つダイナミックシンメトリーとデザインリレー(街区同士や隣接する建物同士で、色彩、分節構成などのデザイン要素を共有)によって、変化に富んだ街並みと街としての一体感を両立させる構想となっています。ひとつひとつの建物もさることながら、建物群としての完成形を早く見たいものです。

 ちょっと気になるビル@晴海

この一大プロジェクトでは、気鋭の日本人デザイナー25人が協働。全体のデザインを統括するマスターアーキテクトとして、光井純氏が起用されています。ちなみに、ブログ記事「ちょっと気になるビル@銀座マロニエ通り(2022年6月)」で取り上げた「V88ビルディング(旧デビアス銀座ビルディング)」の設計は、光井純氏によるものです。

※写真(左)は「V88ビルディング(旧デビアス銀座ビルディング)」。

研修の地がリニューアル「L stay & grow晴海」

研修の地がリニューアル「L stay & grow晴海」 ちょっと気になるビル@晴海

晴海3丁目に建つ、ブラウン管テレビ(あるいは、ゲームボーイ)をたくさん貼り付けたような、とても個性的なデザインのビル、ホテル「L stay & grow晴海」。設計は、数多くの逓信建築(郵便・電信・電話事業の施設)を手掛けた上浪恒氏です。このビルの存在が以前からちょっと気になっていたので、今回「L stay & grow晴海」の総支配人、亀田直人氏を訪ね、取材させていただきました。

元は1975(昭和50)年竣工の「デン晴海」というホテルの建物で、リクルートコスモス(現在のコスモスイニシア)が所有、運営していました。「晴海グランドホテル」に改称された後、カラカミ観光(現在のKarakami HOTELS&RESORTS)が買収し、その子会社のマックスパートが運営。2018年には「ホテルフクラシア晴海」と改称され、2021年3月に一度閉館となりましたが、2022年6月、大和ライフネクストの研修特化型ホテル「L stay & grow」ブランドのホテルとしてリニューアルオープンしたそうです(運営は引き継き、マックスパート)。

 ちょっと気になるビル@晴海

取材の際に、客室を見せていただきました。特徴的な出窓の四角い窓は下側を押して開けるタイプで、10センチほど開きます。出窓の下の部分には空調機器が内蔵され、個別空調となっています。全206室が24平方メートル以上なので、ワンルームマンションのような感覚です。

実は、今回の取材中に思い出したのですが、「デン晴海」の時代に私はこのホテルで研修を受けたことがあります。急に懐かしい気分になり、何故かまたここで研修を受けたくなりました。

※写真(上左)は客室の出窓。写真(上右)は屋上からの眺め(建設中のHARUMI FLAGが見えます)。