日本橋の老舗うなぎ店で見つけた「意外な飲み物」
江戸っ子は鰻が大好き。かって、中央区浜町から見て隅田川の対岸にある小名木川では上等な鰻がたくさん獲れました。「旅鰻(たびうなぎ)、化粧に浸ける江戸の水」という川柳。よそから持って来たうなぎを大川(隅田川)や小名木川に浸けて、深川でとれた上物に装ったというものです。
うな丼が広がったのは、うな丼の発案者が日本橋人形町の芝居小屋の金主だった関係で、町内の大野屋に売り出させたという説があります。うな丼は大久保今助という人が茨城、牛久沼で渡し船を待っている時に頼んだ鰻のかば焼きとどんぶり飯がなかなかで出てこない。これから食べようとする時になって「船が出るよー」。どんぶり飯の上にかば焼きが乗った皿をポンと逆さにかぶせて後で食べたら、とても美味しかったのが始まりとの事です(竜ケ崎市観光物産協会)。
全国「うなぎ百選会」会員の40%が東京に集中。
「うなぎ百選会」の中でも中央区のうなぎ屋さんの活躍が目立っています。
今回紹介する会員の㐂代川(日本橋小網町)は明治7年(1874年)開業以来、たれを継ぎ足して使うなど、昔からの味を守っている老舗。
昭和2年(1927年)に建てられた数寄屋造りのお店は登録有形文化財。夕方、灯りがともると、とてもいい雰囲気が醸し出されます。暖簾をくぐって昭和の世界にどうぞ。
うなぎの身は箸でつまむだけで切れるほどふっくらしています。地域によってはパリッとした皮を好むところがありますが、私はこのふっくら感が好きだなぁ。
うなぎエキスが入ったコーラ
帰り際に目に入ったのが「うなぎコーラ」。女将に味を聞くと「うなぎエキスが入っています」との返事。1本660円。普段なら素通りしますが、うなぎを食して幸福に浸っている身には高く感じられません。
お味ですが、お店で鰻が出てくるのを待つ間、あるいはふっくらウナギを食べた後に飲むのがよろしいようです。
うなぎ 㐂代川 中央区日本橋小網町10-5 03-3666-3197