日本橋川・陽のあたる場所を探して
クリスマスの日曜日。朝早くに日本橋あたりを散策してみました。細かく言うと、このあたりは日本橋川の対岸なので、千代田区になるようです。写真は常盤橋門跡にある渋沢栄一の銅像。朝の陽を全身で浴びて、いかにも暖かそうです。
今日も寒いです。12月になって寒波が到来し、近頃は、布団から出たくない日が多くなりました。栄一さんの足元の陽だまりには、鳥さんたちが所狭しと集まって、暖かそうに羽を休めています。
今日は、天気が良さそうだったので、銀座線の三越前駅で下車して、ビルの合間をかいくぐり、この区境あたりにやってきました。
もともとビルの多いこの地域。最近では超高層のビルが再開発でポンポンポン、と建つようになって、陽のあたる場所がめっきり減ってしまった気がします。日も短くなって、寒さが身に染みるようになり、おひさまの大切さが改めて感じられてしまう今日この頃なのです。
この銅像の後ろ側には日本橋川に架かる「常磐橋」があって、最近の修復工事でとても綺麗に整備されました。日本橋川の上には首都高速が走っているものの、いずれ地下化によって撤去される、ということなので、この橋も全面で陽を浴びることのできる日が来るのかもしれません。
それにしても、この辺りの陽のあたる場所は、めまぐるしく移り変わります。以前の壊れかけのようだった常磐橋の親柱は、見違えるように綺麗になりましたが、すぐに陽のあたらない場所になってしまいそう。ということで、今がチャンス、とシャッターを切ります。
やっぱり、写真は陽があたっているほうが写り映えも良いですし、曇りの日よりも晴れの日の青空のほうが、晴れ晴れして気持ちが良いものです。
この橋の中央区の反対側・千代田区側にある常盤橋門の跡の方には、いくつかベンチが設けられていて、とても暖かそう。そのうち日陰になってしまうのだろうか、今がチャンス、と腰を掛けてみます。
うわぁ〜〜暖ったけ〜。高速道路の車は走っているけれど、風もなくて思ったより静寂。陽があたっていれば、わりとこの場所は好きかもしれない。でも高速道路の音がなくなれば、もっと良くなるのかもしれません。橋越しに見える日本銀行の佇まいは、見ていて和む風景ですし、高速道路の地下化、今から期待が膨らみます。
ベンチの左側、川の上流の新常盤橋の方を見てみたら、陽だまりでスズメたちが仲間たちとエサをついばんでいる、かと思えば、その先では大きな鳥さんが、背中全面で陽を浴びていました。
陽のあたる場所を探しているのは、私だけではなかったようです。
さて、この場を発つことにして、日本橋川の下流側、「常盤橋」や「一石橋」の方へと歩いてみることにします。
昨年、千代田区側の大手町に出来た「常盤橋タワー」の敷地には、川面を眺めることのできるテラスがあって、川の対岸の中央区側を眺めることができます。下流側に架っているのは「一石(いちこく)橋」。この場所はかつて、日本橋川・外堀・道三堀の交差点になっていた所で、昔から眺めの良い場所だったようです。
特派員yazさんの記事をご参考 ⇒こちら
昭和初期の常盤橋(左)と一石橋(右)
道三堀と外堀は埋め立てられましたが、今このテラスは日本橋川のカーブの外側に位置していて眺望もよく、日本橋川という「水辺」を堪能するにはとても良いスペースだと思います。こちらも高速道路が無くなれば、もっと眺望が良くなること間違いなしです。
一石橋のたもとに来てみると、先代の一石橋時代からある巨大な親柱と、江戸時代からある「迷い子のしるべ」の石標が陽にあたっています。
この石標には、
正面には「満よひ子の志るべ」
右側面に「志らす類方(しらするかた)」
左側面に「たづぬる方」
裏面には「安政四丁巴年二月 御願済建之 西河岸町」
と彫られ、迷い子や尋ね人を探したり知らせたい時に紙を側面に貼って、問題を解決するために使われていました。
この石標がこの場所にあるのは、昔は通行人が多かったことの表れなのですが、この石標によって、何人くらいの迷い人が助けられたのか、どのような迷い人の悩みが解決されたのか、については、ん?。よくわかりません。
因みに、この一石橋の脇にある首都高の呉服橋出入口は封鎖されて、撤去の工事がすでに始まっています。今まで一石橋からは下流の方が見えづらかったのですが、撤去されると、実は三越の百貨店とか日本橋が見えたりするのでしょうか。どのような風景に変わっていくのか、今から楽しみです。
さて、クリスマスもこれで終わりとなり、いよいよ2023年のお正月を迎えることになりました。
せっかくの晴れなので、お正月に向かう日本橋のほうにも向かってみました。
お正月の日本橋といえば、箱根駅伝の復路のクライマックスのシーンが思い浮かびます。
各校のランナーが日本橋を渡って、目の前の日本橋三越の交差点を左に折れて、常盤橋を渡り、大手町のゴールテープを切る、というあのシーンです。
こちらは日本橋のたもと「元標の広場」からの青空の風景。かつて日本橋の中央にあった「東京市道路元標」と、後方右側には日本橋の三越。黄色いイチョウの葉もまだ残っていました。この前をランナーは駆け抜けて行きます。
例年、東京のお正月は晴れる日が多いので、沿道での駅伝観戦もできそうなのですが、新型コロナに伴う観戦マナーを守ることは必須条件ですね。来年もまだ新型コロナに翻弄される日々は続きそうです。
こちらは、「乙姫の広場」の乙姫像の上にある一画から。いつも綺麗にお花が飾られています。おひさまが当たっているほうがやっぱ良い。そして青空!。
ということでみなさま、今回でようやく百回目の記事を書き終えることができました。たまたまですが、百回目なので、最後は百貨店の写真になりました。
みなさま良い新年をお迎えください。
今年は悲しいニュースもあったりしましたが、来年は近年にない、陽のあたる一年になることを期待したいと思います。