東京ダンボ

東京 アート アンティーク 2023 ~日本橋・京橋美術まつり~

「東京 アート アンティーク 2023 ~日本橋・京橋美術まつり〜」が2023年4月27日(木)〜4月29日(土)の3日間開催されました。

東京ダンボは28日のスペシャルトークイベント、29日に企画展を回ってきました。

スペシャルトークイベント 『もろもろ美術談義』

スペシャルトークイベント 『もろもろ美術談義』 東京 アート アンティーク 2023 ~日本橋・京橋美術まつり~

4月28日(金)の19:00〜20:30に『もろもろ美術談義』と題し、京橋の明治屋を会場としてスペシャルトークイベントが開催されました。

対談は昨年皇居前の明治生命館に引っ越してこられた静嘉堂文庫美術館の安村敏信副館長、京橋を代表する古美術店繭山龍泉堂の川島公之代表取締役です。

対談は3部構成で、「①行方知らずの美術品」、「②名品の流転」、「③意外な結末」、とそれぞれについてお二方から含蓄のあるお話が聞け、あっという間の1時間30分でした。

その中から、二つほどご紹介させていただきます。

中村芳中「白梅図」 千葉市立美術館

中村芳中「白梅図」 千葉市立美術館 東京 アート アンティーク 2023 ~日本橋・京橋美術まつり~

こちらは大阪を中心に活躍した琳派の絵師、中村芳中の作品で過去に安村氏が所有していたことがあったとのことです。自宅にて鑑賞するスペースの確保が難しくなったこともあり手放したそうですが、数年後に骨董屋さんから名作が出ましたよと言われ見に行くとなんとこの「白梅図」だったそうです。

その後この作品は千葉市美術館に収蔵され中村芳中の代表作の一つとして紹介されるようになりました。

安村氏が奥様に「惜しいことをしたなぁ」とおっしゃると、奥様からは「あなたが持っていたら大名作とはならないのよ」と言われ、安村氏も「そりゃそうだ」とお答えされたそうです。さすがは奥様ですね!

青磁盤 汝窯 東京国立博物館

青磁盤 汝窯 東京国立博物館 東京 アート アンティーク 2023 ~日本橋・京橋美術まつり~

こちらは中国北宋の官窯として名高い汝窯です。

汝窯とは北宋の宮廷がつくらせたと伝わるもので、世界的にも稀少な中国陶磁として知られ全世界に70余点しかないと言われています。日本には二つあり、そのうちの一つが上野の東京国立博物館にあるこの青磁盤です。

昭和29年に東京美術倶楽部のオークションに雑多な品の一つとして出品されたいたそうで、繭山龍泉堂の当時の社長がこの作品の良さを見抜き落札しました。

直後に繭山龍泉堂に来店した川端康成が購入し、川端康成全集の口絵にもなったとのことです。

 

白梅図も青磁盤汝窯も今では美術館に収蔵されています。お二人からは名品は様々なコレクターたちの間を回るうちに価値が定まり、最終的には美術館に納まることが望ましいとのお話を伺いました。

 

企画展巡り

ここからは29日に訪問したお店から何店か紹介させていただきます。

不忍画廊 古今東西蒐集匣

不忍画廊 古今東西蒐集匣 東京 アート アンティーク 2023 ~日本橋・京橋美術まつり~

高島屋に隣接するさくら通りに面するビルの4階にある不忍画廊では「古今東西蒐集匣」と題し、古今問わず”良いモノは良い=欲しい”をコンセプトに、現代美術とMIXした特別企画が開催されていました。

伺った29日には作家の ふるかはひでたか氏が在籍され、楽しくお話をさせていただきました。

ふるかは氏はタウン誌「月刊日本橋」へ2017年6月号から2019年12月号まで連載をされていて、江戸や日本橋をテーマにしつつ、風景、食や大衆文化、風俗、社会など多角的な視点で描かれ、先人へのオマージュを持った作品も多数並んでいました。

 東京 アート アンティーク 2023 ~日本橋・京橋美術まつり~

MASATAKA CONTEMPORARY & Sansiao Gallery

MASATAKA CONTEMPORARY & Sansiao Gallery 東京 アート アンティーク 2023 ~日本橋・京橋美術まつり~

日本橋3丁目の中央通りと養珠院通りが交差する立地の地下1階に二つのギャラリースペース、MASATAKA CONTEMPORARY と Sansiao Galleryがあり、今回初めて訪問させていただきました。

東京アートアンティークで配布されている赤いパンフレットを見ながら新たなお店を訪れるのもこの機会ならではですね。

MASATAKA CONTEMPORARYでは 『nagu・itabamoe 2人展「PINK MOOD」』が開催されていました。

オーナーからは若手二人の作品をシンメトリーに配置してその対比を楽しめるように展示していると説明をいただきました。

テーマは「私たちのピンクに、溺れてみる?」で、ポップだけど奥がある印象を受けました。

 

 東京 アート アンティーク 2023 ~日本橋・京橋美術まつり~

Sansiao Galleryでは「BEYOND THE AGES/PORTRAIT」と題し写真展が行われていました。ギャラリーの収蔵作品に加え作家さんの新作も置かれています。

 

今回の東京アートアンティークでは上記3店だけでなく中国古美術、江戸期の大津絵、オリエント美術、石器等様々な作品等を目にし手にすることができました。

また、訪れて来る方には若い方が多く、街に活気が感じられ、もうすでに来年が楽しみです!