芭蕉 が見える 場所
江戸時代の俳諧師を代表する存在といえば、松尾芭蕉(1644年~1694年)。
松尾芭蕉と中央区の関わりとして、芭蕉が故郷の伊賀国から江戸に出てきたあと8年間、小田原町(現・室町一丁目)の借家に住んでいたことが知られており、室町一丁目には「発句なり松尾桃青宿の春」の句碑が立っています。
そのほか、区内にはいくつか芭蕉の句碑が立っており、これまで特派員の皆さんが記事に取り上げてくださっています。
特派員ブログの検索窓で「芭蕉」と入れて検索すると、特派員の皆さんの読み応えのある記事がヒットしますので、ぜひご確認ください!
さて、そんな句碑の数々のほかに、芭蕉の「像」を見ることができるスポットがあるのをご存知でしょうか…?
それが、この写真に写っている、みんな大好き「清洲橋」です。
清洲橋の上から見える芭蕉とは?
清洲橋の上から、東京スカイツリーが見える北側を眺めて、視野を少し右側に移してみましょう。
薄緑色の万年橋の左側、隅田川と小名木川が合流する地点をよ〜く見てみると…
なんと、横を向いた芭蕉像が見えてきました!!
この写真はかなりズームアップしていますが、肉眼でも何とか視認することができます。
たまには遠くをじっくり見ることで、ふだん至近距離でスマートフォンを見ている目をストレッチできるかもしれません笑
芭蕉像の正体
この芭蕉像は、お隣の江東区にある「芭蕉庵史跡展望庭園」(常盤1-1-3)に設置されています。
隅田川沿いの建物の屋上が庭園になっており、そこに像が置かれているので、清洲橋からもよく見えるというカラクリです。
この庭園の近くには「芭蕉庵」があったといわれており、芭蕉稲荷神社や芭蕉記念館など、芭蕉にゆかりのあるスポットが複数あります。清洲橋を渡って、江東区側をお散歩してみるのもオススメです。
芭蕉像に隠されたフシギ
ところで、夕方、17時過ぎに再び清洲橋を訪れてみると、ある異変に気がつきました。
先程は横を向いていたはずの芭蕉像が、こちらを向いているではないですか!!
日中、芭蕉像は「芭蕉庵史跡展望庭園」の入口のほうを向いているので、清洲橋から見ると横向きになります。
しかし、この庭園は16時30分に閉園してしまうということで、17時になると芭蕉像が回転し、清洲橋のほうを向くようになっているそうです。さらに、暗くなってから22時まではライトアップされます。
したがって、清洲橋から芭蕉像を眺めるならば、17時~22時の間が狙いどころです!
芭蕉庵史跡展望庭園に行って17時以降の芭蕉像の視点に立ってみると、清洲橋の美しい曲線が真正面に見える特等席でした。奥には中央大橋や永代橋なども顔をのぞかせていますね。
隅田川のこのあたりの区間は「おくのほそ道」の旅の初めにもなった場所ですが、松尾芭蕉が生きていた時代、清洲橋はまだありませんでした。芭蕉がもし清洲橋を見たらどんな句を詠んだだろうか…と思いを馳せてしまいますね。