蛎殻町の松

中央区立郷土資料館で学ぶ「関東大震災100年」

1923年に発生した関東大震災から100年が経った今も、各種の災害が後を絶ちません。自然災害の発生について人間はコントロールできませんが、事前に備えることでその影響を少しでも軽減することは可能かもしれません。私は土木技術者ですが、いろいろ考えされられる昨今です。
さて、「本の森ちゅうおう」にある中央区立郷土資料館で、企画展「関東大震災から100年〜震災復興の記録〜」が開催されています。ひととおり見学して特に貴重だと感じたのは、築地本願寺所蔵フィルム再現映像でした。配布資料によれば、
「関東大震災直後に京都の西本願寺が派遣した映画会社の記録班が撮影したとされる映像」
とのことで、
「中央区教育委員会がフィルムの複製処理と映像内容の調査を経て、新たに収録した映像を加えて再編集したもの」
だそうです。35分間の映像です。
凄まじい被害と、そこから立ちあがろうとする市民、支援する人たちが描かれているのですが、何より印象に残ったのは、震災で最も被害を出した火災の、燃えている様子の動画が各地で撮影されていたことでした。逃げても逃げても追ってくる火の手、本当に恐ろしかっただろうと思います。
震災の深刻さはさまざまな文献で知ることができますが、まさに「百聞は一見に如かず」と感じました。もし現代に同じような災害が起きたときに誰が何をしないといけないのか、その対策を社会実装していかなければならないと思います。