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江戸下り酒文化伝承の地「新川」で店を構える「辰馬本家酒造」さん、東日本支店長にインタビューしました!

日本酒の多くは「寒造り(かんづくり)」といって、1年で最も寒い時期(12月から2月頃まで)に造られます。季節は、二十四節気の大寒、立春が過ぎ、雨水となりましたが、この時期は、春酒も出始め、引き続きフレッシュな新酒をいただくことができるので、愛飲家の皆さまはつい飲み過ぎてしまうのではないでしょうか。

さて、今回のブログも、前回の「日本盛」さんに続き、日本酒をテーマとして、江戸下り酒文化伝承の地「新川」で店を構える酒造メーカー、「白鹿」で有名な「辰馬本家酒造」(たつうまほんけしゅぞう)さんをご紹介したいと思います。

先日、「辰馬本家酒造」さんの東日本支店を訪問のうえ、高橋健司支店長にインタビューさせていただきましたので、「辰馬本家酒造」さんの歴史や商品をご紹介させていただくとともに、日本酒の魅力もお伝えできればと思います。

高橋支店長とは、やはり、昨年末、「加島屋」(中央区新川1-7-4)さんの廣岡孝治社長のご紹介により、「新川大神宮 樽酒祭」(12月のブログ)でお会いし、今回のインタビューが実現しました。

 江戸下り酒文化伝承の地「新川」で店を構える「辰馬本家酒造」さん、東日本支店長にインタビューしました!

高橋支店長(右)と一緒にご説明いただいた綾部さん(左)。

「辰馬本家酒造」さんはどんな会社ですか?

創業は1662年(寛文2年)で、初代「辰屋吉左衛門」(たつやきちざえもん。辰馬家の当時の屋号が「辰屋」でした。)が神のお告げにより、西宮の邸内で井戸を掘ったところ、清冽甘美の良水(後の「宮水」)が沸き、そこから日本酒造りが始まりました。

350年以上の歴史があり、灘五郷(兵庫県神戸市・西宮市の沿岸部にある日本を代表する酒どころ)では(諸説ありますが)、剣菱酒造さん(1505年(永正2年)創業)、櫻正宗さん(1625年(寛永2年)創業)に次いで、古い酒造メーカーといわれています。

辰馬家は、本家から北辰馬家、南辰馬家、松辰馬家、柳辰馬家等の分家が生まれ、そのうちの北辰馬家は1862年(文久2年)に、白鷹さんを創業、今も酒造メーカーとして存続し、弊社と同様、本社は西宮市で、東京支店は新川にあります。

また、弊社は、酒造業だけではなく、白鹿グループとして、教育・文化・観光・不動産等の各種事業にも積極的に取り組み、地域にしっかりと密着しています。

例えば、教育事業としては、教育の重要性を常々考えていた13代「辰馬吉左衛門」が1920年(大正9年)に旧甲陽中学校を創設し、現在は学校法人辰馬育英会が甲陽学院中学校・高等学校を経営しています。ちなみに、同じ灘五郷の灘中学校・高等学校は、菊正宗酒造(本嘉納家)さん、白鶴酒造(白嘉納家)さん、櫻正宗(山邑家)さんによって創設されたものです。

また、文化事業としては、日本人の生活文化遺産である酒造りの歴史を後世に正しく伝えていくことを目的に、1982年(昭和57年)、創業320周年を記念して、白鹿記念酒造博物館を設立しました。

さらに、観光事業としましては、1992年(平成4年)、創業330周年を記念して、甲陽学院発祥の地に甲子園都ホテルを建設、開業させました。後に、同ホテルは、ノボテル甲子園へと名称変更し、その後、売却しています(売却後、現在は、ホテルヒューイット甲子園という名称になっています。)。

 

<コラム>「酒蔵」「蔵元」「酒造」について

「酒蔵」は「さかぐら」と読み、お酒を醸造・貯蔵するための蔵のことをいいますが、「酒蔵さん」という場合は、製造元の意味合いで使われます。

「蔵元」は「くらもと」と読み、お酒を醸造・貯蔵するための蔵、つまり、「酒蔵」を所有する製造元、特に経営者のことをいいます。

「酒造」は「しゅぞう」と読み、文字どおり、お酒を造ることをいい、「酒造業」「酒造メーカー」等のように使われます。

従って、「酒蔵さん」と「蔵元」「酒造メーカー」はほぼ同じ意味合いといってよいと思います。

東日本支店について教えてください。

1949年(昭和24年)に酒問屋が集まるここ新川に東京営業所を設立しました。1969年(昭和44年)に支店に昇格し、1991年(平成3年)に社屋の建て替えが始まり、1993年(平成5年)に「白鹿茅場町ビル」が完成しました。

「白鹿茅場町ビル」では30年程業務をしていましたが、2023年(令和5年)1月にここ「グランド茅場町ビル」へ移り、「白鹿茅場町ビル」は全フロアをテナントに貸すようになりました。

販売先の業態としては、量販店さんが多いです。ただ、東日本支店では、業務用酒販店さんが他の支店よりも少し多くなっています。卸さんから小売店さん、小売店さんから飲食店さんへという流れで、支店売上の2割弱を販売しています。また、首都圏では、ギフト用として「黒松白鹿」等を百貨店さん等に1割前後販売しています。それは、品質第一ということなのですが、他のメーカーさんよりも多いと思います。

支店の人数は、ピーク時は首都圏だけで30人程いましたが、売り上げとともに人数が減り、今は9人となり、北海道から神奈川までを担当しています。

やはりそれは、日本酒の需要が減ってきていること、また日本酒の中でも地酒が台頭してきていること、そしてRTD(缶に入ったアルコール飲料)とかの日本酒以外の飲み物が人気を呼んでいることが原因です。

 

 江戸下り酒文化伝承の地「新川」で店を構える「辰馬本家酒造」さん、東日本支店長にインタビューしました!

昭和20年代の「火保図」(「中央区沿革図集[京橋篇]」(中央区立京橋図書館/平成8年3月31日発行)より転載、赤丸を加筆しています。)。

地図の中央に左右(東西)に通る大きな道が永代通りで、永代通りの北側に面し、「辰馬本家酒造KK」があるのがわかります。その位置はまさに現在、「白鹿茅場町ビル」が建っているところになります。

 江戸下り酒文化伝承の地「新川」で店を構える「辰馬本家酒造」さん、東日本支店長にインタビューしました!

2023年(令和5年)1月、写真左の「白鹿茅場町ビル」から、写真右の「グランド茅場町ビル」へ移りました。

「白鹿」はどんなお酒ですか?

「白鹿」はどんなお酒ですか? 江戸下り酒文化伝承の地「新川」で店を構える「辰馬本家酒造」さん、東日本支店長にインタビューしました!

弊社は、兵庫県西宮の地で、宮水良質の米六甲おろしといった自然の恵み豊かな風土に支えられ、1662年(寛文2年)の創業以来350年以上にわたって酒造りを続けてきました。

宮水

宮水は、酵母の発酵を促すリンとカリウムをはじめとするミネラルを多く含んだ硬水(正確には「中硬水」)で、適度な塩分も含まれています。そのうえ、お酒が最も嫌う鉄分がきわめて少なく、まさに、酒造りにとっての天与の水といえます。

また、弊社は米国・コロラド州デンバー市郊外に工場を建設し、操業していたことがありました。1992年(平成4年)に竣工して8年後に閉鎖しましたが、良質のカリフォルニア米に加え、ロッキー山脈からの雪溶け水(宮水に似た成分の硬水)が酒造りに適していたことで、その水で醸した米国産「黒松白鹿」は、高い評価を得て、多くのファンを獲得しました。

ちなみに、弊社は昔から海外への進出に積極的で、現在は、北米が一番の海外市場になっています。売り上げに占める海外の割合も2割弱となっており、他の会社さんよりも高いと思います。

良質の米

弊社は、兵庫県の「白鹿会」加盟農家に契約栽培をお願いし、良質の山田錦を丹念に育てていただいています。弊社が酒造りに使用する山田錦はすべて兵庫県産のもので、大粒で、ほどよい大きさの心白(米の中心の白いところ)を持つ、灘の酒のために生まれてきた山田錦は「白鹿」の酒に欠かせない酒米です。

山田錦を100%使った商品は、今はどこの会社でも売っていますが、17~18年ぐらい前でしょうか、当時、兵庫県産の山田錦を100%使った「山田錦」という商品を一番たくさん売っていたのは弊社でした。

しかし、現在では、それ以外の酒米を使って造るお酒の方が多くなっています。今は飲みやすく毎日飲んでも飽きの来ないお酒を造るスタイルが主流となっていますので、弊社は「四季醸造」といって、一年を通して色々な酒米を使って醸造し、優れた酒質のお酒を安定的に提供することを大切にして、日々努力しています。

六甲おろし

酒造りには、蒸した米を冷ます「放冷」という工程があります。今では機械で行われる作業ですが、昔はむしろの上に米を広げて冷ましていました。そこに、六甲おろし(六甲山系から吹き降ろす冷たく乾いた風)が吹いてきて、素早い「放冷」を手助けしてくれたのです。

 

<コラム>「寒造り」から「四季醸造」へ

お酒はもともと一年を通して造られていましたが、江戸時代になって、酒造りは寒い冬が最適な環境であること、冬に手が空く農民を労働力として確保しやすいこと、酒造統制の一環として冬以外の製法が禁止されたこと等から、冬期にのみ酒造りが行われるようになりました。これが「寒造り」の始まりです。

そして、この「寒造り」によって、農閑期の農民の出稼ぎが増え、ここに「杜氏」(とうじ)という酒造のスペシャリスト(酒造の最高責任者)が誕生することになりました。

しかし、現在は、空調設備が整った大手酒造メーカー等では、一年を通してお酒を造る「四季醸造」により、「寒造り」と同じ製法によって酒造りがいつでもできるようになったため、酒造りの技術は「杜氏」から年間雇用の社員へ継承されようになりました。

「辰馬本家酒造」さんの場合も、今は「杜氏」さんはいらっしゃらないとのことでしたが、酒造りの最高責任者は「丹波杜氏組合」に加盟されているということでした。

代表的な商品を教えてください。

代表的な商品を教えてください。 江戸下り酒文化伝承の地「新川」で店を構える「辰馬本家酒造」さん、東日本支店長にインタビューしました!

「特撰 黒松白鹿」(上の写真の左から3番目)が弊社のフラッグシップ商品となります。「黒松」が付く「黒松白鹿」「特定名称酒」(下記<コラム>参照)で、「黒松」が付かない「白鹿」「普通酒」です。

「黒松」は常緑樹であり、「白鹿」の由来とともに「不老長寿」の意味があります。ちなみに、「黒松」という名前は、弊社だけが使っているものではなく、他の会社さんも使われています。例えば、剣菱酒造さん(兵庫県神戸市)の「黒松剣菱」、仙醸さん(長野県伊那市)の「黒松仙醸」、村重酒造さん(山口県岩国市)の「金冠黒松」があります。

「特撰 黒松白鹿」はどこにでも置いてあるわけではなく、東京で飲めるとすれば、ちょっと良いお店になります。私は京都も長かったのですが、京都でもミシュランのお店にもお世話になっていまして、だいたいこちらを扱っていただいていました。ということで、「特撰 黒松白鹿」が弊社の一番代表的なお酒になります。ただ、ボリューム的にそんなに売れているかというと、どこのお店、お酒屋さんにもあるわけではありません。

商品の特徴としては、普通、お酒は「初添」(はつぞえ)、「仲添」(なかぞえ)、「留添」(とめぞえ)の三段で仕込むのですが、こちらはもう一段、仕込みの数を増やして四段とし、その四段目にもち米を掛ける「四段仕込み」としています。それによってもち米本来の旨みが加わり、ふくらみのある深い味わいを堪能することができます。

この「四段仕込み」は、1920年(大正9年)に丹波杜氏梅田多三郎(うめだたさぶろう)氏によって開発され、それ以降、「特撰 黒松白鹿」は「四段仕込み」にこだわり、醸造し続けています。

アルコール度数は、15度以上16度未満で、日本酒度は「-1」なので、少し甘口です。

「特撰 黒松白鹿」は、醸造アルコールが入っていますので、飲み飽きしません。どんな料理とも相性がいいです。特に今の時期ならおでんと合わせるのがおすすめです。

 

*「白鹿」に合う“アテ”のレシピ(アテなレシピ)はこちら

* 商品のご案内はこちら

 

<コラム>「特定名称酒」について

1989年(平成元年)に酒類業組合法により「特定名称酒」による分類が定められました。具体的には、「純米大吟醸酒」「大吟醸酒」「純米吟醸酒」「吟醸酒」「特別純米酒」「純米酒」「特別本醸造酒」「本醸造酒」の8種類に分類され、それぞれに規定が設けられています。

これら8種類のお酒は、使用原料により、また「純米酒」「本醸造酒」の2つのグループに分類されます。「純米酒」は米と米麴、「本醸造酒」は米と米麴に加えて醸造アルコールが使用されています。

そしてさらに、精米歩合(※)による分類規定が存在します。

「純米酒」グループでいえば、単に「純米酒」と呼ばれるものには規定はないのですが、「特別純米酒」と名乗るためには、精米歩合を60%以下にしなければなりません。そして、「純米吟醸酒」60%以下「純米大吟醸酒」となると50%以下の規定となります。

また、「本醸造酒」グループでは、「本醸造酒」70%以下「特別本醸造酒」「吟醸酒」60%以下「大吟醸酒」50%以下というようになります。

ちなみに、「吟醸」という言葉は、文字どおり、「吟味して醸す」という意味があり、国税庁のホームページには「吟醸造りとは、吟味して醸造することをいい、伝統的によりよく精米した白米を低温でゆっくり発酵させ、かすの割合を高くして、特有な芳香(吟香)を有するように醸造すること」とあります。

なお、「特定名称酒」に含まれないお酒は「普通酒」または「一般酒」等と呼ばれています。

 

(※)精米歩合とは

玄米を削り取った後、残った割合をパーセントで示したものになります。一般的には、精米歩合が高い(あまり削っていない)ほど、米や米麹由来の原料香が強く、味わいが濃醇になり、精米歩合が低い(より多く削っている)ほど原料香が弱く、味わいが軽快になり、酵母由来の吟醸香が感じられるようになります。

商品のリニューアル等はありますか?

この春(3月上旬)、2つの商品のリニューアルを予定しています。

まず、すずろという商品のデザインがリニューアルされます。こちらは25年以上のロングセラー商品で、これまでデザインをほぼ変えずにやってきたのですが、今回、和柄と切子硝子をモチーフとしたデザインへと刷新されます。

商品の特徴としては、春夏(3~9月)季節限定のやや甘口の普通酒(アルコール度数:14度以上15度未満、日本酒度:-2、酸度:1.4、精米歩合:こうじ米70%、掛米78%)で、清涼感あふれるすっきりとした味わいになっています。また、「ワイングラスでおいしい日本酒アワード2021 メイン部門」で最高金賞を受賞する等、多くの受賞歴のある商品です。

希望小売価格(消費税別)は720mlが763円、300mlが356円と抜群のお手頃価格になっており、普通酒瓶カテゴリー(720ml)で最も売れています。

次に、黒松白鹿 純米吟醸もリニューアルとなります。こちらは味もデザインも変わります。開発コンセプトは「日本酒愛好家待望!高級感、リッチ感、コスパを兼ね備えた、料理と共に贅沢に楽しめる商品」ということです。

商品の特徴としては、長期低温発酵で醸した、華やかな香りとフレッシュな風味が楽しめるやや辛口の純米吟醸酒(アルコール度数:14度以上15度未満、日本酒度:+1、酸度:1.4、精米歩合:60%)となっています。

デザインについては、Black&Goldの輝くラベルとし、より高級感を出すようにしましたが、希望小売価格(消費税別)は720mlが1,114円、300mlが508円とこちらもお手頃価格になっています。

 

 江戸下り酒文化伝承の地「新川」で店を構える「辰馬本家酒造」さん、東日本支店長にインタビューしました!

イベントとかはいかがでしょうか?

「バーチャルYouTuber(Vチューバー)」とコラボして「晩酌博覧会」を開催!

2023年(令和5年)12月19日から2024年(令和6年)1月24日の間、Vチューバー(2Dや3Dのアバターを使って、配信者に代わってYouTube配信を行う動画配信者)の「ジョー・力一 Joe Rikiichi」さんとコラボしたイベントをやりました。

「白鹿」の商品を入れて、飲んでいる様子を撮影し、X(旧Twitter)に投稿してくれたら、放送の中で紹介しますよ、という内容です。

オンラインショップで「ジョー・力一 Joe Rikiichi」さんのブロマイドを付けて、お酒のセットを販売していたのですが、それがもう大変な売れ行きを見せました!

こういうイベントをしたことによって、若い方にも日本酒に興味を持っていただけたと思いますし、やはり何でも最初の取っ掛かりが重要だということがよくわかりました。今後、第二弾があるかもしれません。

 

 江戸下り酒文化伝承の地「新川」で店を構える「辰馬本家酒造」さん、東日本支店長にインタビューしました!

「辰馬本家酒造」さんのホームページ(https://www.hakushika.co.jp/topics/6538/)より転載。

 

「西宮蔵開 2024」を開催!

2024年(令和6年)2月10日(土)、弊社本社敷地内で「西宮蔵開2024」を開催しました。これは、兵庫県西宮市が行っている「日本酒振興プロジェクト」の一環として行われたもので、西宮市内6社の蔵元(大澤本家酒造さん、万代大澤醸造さん、日本盛さん、白鷹さん、大関さん、および弊社)が自社の敷地を開放し、来場者の皆さまにしぼりたての新酒を振る舞って、“西宮の日本酒”に親しんでいただくイベントです。

 

 江戸下り酒文化伝承の地「新川」で店を構える「辰馬本家酒造」さん、東日本支店長にインタビューしました!

「辰馬本家酒造」さんのホームページ(https://www.hakushika.co.jp/newsrelease/6589/)より転載。

それでは、高橋支店長の晩酌スタイルを教えてください。

私は単身赴任が長く、休みの日に大好きな釣りをしに金沢八景とかによく出かけます。そして、釣ってきたアジをフライにしたり、シロギスを天婦羅や刺身にしたり、また、釣果に恵まれたときは、半夜干しにして兵庫県の家族に送ったりもしています。

それらに合わせるお酒は、「黒松白鹿」の純米パックで、夏でも燗で飲むのが私のスタイルです。燗は身体に優しく、冷やですとちょっと飲みすぎたりするもので…。

最後に一言お願いします!

弊社・東日本支店は、少数精鋭、チームワーク第一で、一本でも多くの「白鹿」をお客さまにお届けするために日々精進しております。今後ともご贔屓を賜りますようよろしくお願い申し上げます。(高橋支店長)

高橋支店長自ら支店の雰囲気づくりをしていただいていると日々感じています。引き続き私も頑張りたいと思います。(綾部さん)

 江戸下り酒文化伝承の地「新川」で店を構える「辰馬本家酒造」さん、東日本支店長にインタビューしました!

「新川大神宮 樽酒祭」(2023年(令和5年)12月27日開催)での高橋支店長(左)と綾部さん(右)。

おわりに

灘五郷のひとつ、兵庫県西宮の地で、1662年(寛文2年)の創業以来350年以上にわたり、日本酒の本道を歩んで来られた「辰馬本家酒造」さん。今回、東日本支店の高橋健司支店長にインタビューさせていただき、その貴重なお話を通じ、「辰馬本家酒造」さんの歴史と伝統をひしひしと感じることができました。

そして、「辰馬本家酒造」さんは、酒造業だけではなく、白鹿グループとして、教育・文化・観光・不動産等の各種事業にも積極的に取り組まれておられ、日本酒と地元・地域を結びつけ、まさに酒造業を文化産業に昇華させたのだと思いました。

企業理念の「育てる」に関し、辰馬清社長が「酒はつくるものではなく、育てるもの」とおっしゃっています。そのことについて、お二人にお聞きしたとき、まずは、綾部さんが「日本酒の主原料は米と水であり、また麹菌や酵母等の微生物の力を借りなければ造ることができないので、やはり、それはつくるものではなく、育てるもの、ということになるのだと思います」と熱く語り、その後、高橋支店長が父親のように「酒造りはどうしても時間がかかるものですから、ゆっくりとわが子のように時間をかけて目標に向けて育てていくということに尽きると思います」と笑みを浮かべながらお話されたのがとても印象的でした。

 

【辰馬本家酒造式会社】

https://www.hakushika.co.jp/

本社

〒662-8510

兵庫県西宮市建石町2番10号

TEL  0798-32-2761(営業)

TEL  0798-32-2701(管理)

TEL  0798-32-2811(製造)

東日本支店

〒104-0033

東京都中央区新川1丁目22番17号 グランド茅場町2階

TEL  03-3553-0411

 
*本ブログは「辰馬本家酒造」さん、東日本支店の高橋健司支店長のインタビューに加え、同社ホームページ等を参考に作成しました。また、ブログ中の<コラム>は「日本酒にかかわる基礎知識」として、「新訂 日本酒の基/NPO法人FBO(料飲専門家団体連合会)」等を参考に、New River がまとめたものになります。なお、前回ブログでも、「New River のコメント」として、「日本酒にかかわる基礎知識」をご紹介していますので、ご覧いただければ幸いです。