描かれた江戸の商人 販促ツールと商いの秘訣
東京駅に貼ってあるポスターを見て、そのタイトルに魅かれて貨幣博物館に足を運んだ。館内の特設展示コーナーを観覧すると、そこには江戸の商人の世界が広がっていた。インターネットやデジタル機器がなかった、江戸時代の商いとはどういうものだったのかを学びたい一心で展示内容を拝見した。
展示コーナーには、「商いの道具」として、商家の看板や千両箱などが展示され、掛け売りが当たり前の時代に、現金かけねなしの新商法が生み出されたことが紹介されていた。また、「描かれた商人」として、金魚売りや虫売りなどの振り売りの錦絵が展示されており、江戸の商人の攻めの姿勢を感じ取ることができた。
江戸の商人は、人気絵師に賑わう店先を描かせて店を宣伝したり、大店呉服屋のイメージ戦略として「のれん」を活用したり、様々な工夫を重ねて商いを発展させてきた歴史がある。それは、江戸の商人が人間としての感性を大切にし、人と人との交流の中で育んできた商いの秘訣であると想像する。そして、インターネットやデジタル化が進む今こそ、この「描かれた江戸の商人」の展示から商いの秘訣を学び、令和の商いに活かしていくことが大切であると感じた。
開催場所:日本銀行金融研究所 貨幣博物館
開催期間:2024年11月8日(金)→2025年2月2日(日)
開館時間:9:30~16:30(最終入館は16:00まで)
会期中の休館日:月曜日 但し、1月13日(月)は開館
〒103-0021 東京都中央区日本橋本石町1-3-1(日本銀行分館内)
TEL:03ー3277ー3037(平日9:30~16:30)