「木挽町のあだ討ち」にまつわるetc.
三重テラスにて
あれっ、こんなところに、「木挽町のあだ討ち」のフライヤーが。
書店などの大型スクリーンでも見かける、只今絶賛上映中の映画。
三重県のアンテナショップ「三重テラス」(日本橋室町2丁目4-1)にありました。
あぁ、そういうことか。
三重県・滋賀県が、映画のロケ地になっていたとのこと。
津市のフィルムコミッション。
ロケ地の情報提供や撮影支援などを行う組織です。
津市の高田本山専修寺や東近江市の百済寺には、観光で立ち寄ったことがありますが、ロケ地だったことは初めて知りました。
東家三可子さん
永井紗耶子さんの「木挽町のあだ討ち」の文章は、登場人物たちの一人語り、台詞で構成されています。
それならば、日本の話芸に馴染みやすいと思っていました。
『浪曲ならば、東家三可子さんの美声が良い。』
以前、ブログに書きました。
『東家三可子(あずまや みかこ)』さんて誰?
知っている人は知っているが、浪曲を聴いたことのない人には遠く感じますよね。
中央区内の演芸場でも、活躍しているのですよ。
4月21日にも、アートスペース兜座で「兜町独演会第0回始動」を公演。
会場でしっかり、三可子さんと曲師の伊丹秀勇さんのお姿を、写真に撮らせていただきました。
(曲師とは、浪曲の三味線の奏者で、三味線と合いの手で舞台を盛り上げます。)
なんとかわいらしい笑顔なのでしょう。
もちろん、明るくのびやかな声、変幻自在の節の運び、切れの良い啖呵(たんか)は、心をとらえて放しませんでした。
※ その時の写真はあえてブログには載せませんので、どうぞ皆さま、寄席・演芸場に聴きにお越しくださいませ。
中央区の相撲事情
※ 日本橋図書館館報No105(2025. 3.25)、特集は「日本橋と相撲」です。
日本橋と相撲に関する歴史と荒汐部屋の話題を、わかり易く紹介しています。
当日の外題は、三可子さんの好きな相撲噺二席。
『太刀山と清香』、『八代目錦島三太夫』
太刀山峰右衛門は富山市出身で、第22代横綱として明治44年6月から大正7年1月まで在位しました。
噺の中に、蛎殻町や横網町のタニマチ(相撲界の隠語で、ひいき筋、後援をしてくれる人)が出てきます。
明治期の商品先物市場は、大坂堂島の米穀取引所と、日本橋蛎殻町の大豆、小豆、とうもろこし、粗糖などの穀物取引所でなされていたそうです。
日本橋界隈には、懐が膨らんだ旦那衆が闊歩し、ひいき筋として相撲や伝統芸能の興行を支えていたのでしょう。
兜座
ところで、日本橋兜町11-10 ビルの5階にあるアートスペース兜座。
坂本町公園の西側、新場橋区民館のお隣の建物。
こんなシックな空間が、兜町にあったとは知りませんでした。
定式幕がするすると開くと、思ってもいなかった建て付けの演芸空間が目に飛び込んできます。
そこには、江戸時代の横丁の寄席かと思うような風情が漂っていました。
お客さんがまた、いいんですよ。
超ベテランのお兄さん、お姉さんが、のどかな雰囲気の中で幕開きを待っていて、実に絵になるんですね。
浪曲との出会い
私が初めて浪曲を聴いたのは、トランジスタラジオから流れる、広沢虎造の「石松三十石船」でした。
そうそう、「旅ゆけば、駿河の国に茶の香り~」で始まるやつです。
少年時代、2、3回ラジオを聴けば節を覚えてしまい、小学校の昼休みに机の上でひとくだりやっては拍手を受けたものでした。
「大政、小政、大瀬の半五郎、遠州森のい・・」
数年前、舞台で「石松代参」を演じる機会がありました。
「キヨミズ、ジロナガ?って、これ何ですか。」
座組で一番年の若い新体操部の高学生が言いました。
おまえさん、「清水次郎長」を知らねえのかい。
幕末の侠客で、森の石松らあまた子分衆を抱え、戊辰戦争の時には清水港で幕府軍の戦死者を丁寧に葬ったり、維新後には富士の裾野の開墾をしたりした「海道一の大親分」でぃ。
新たな試み
落語、講談とともに「日本三大話芸」と言われた浪曲。
昭和初期の最盛期には、約3千人の浪曲師がいたといわれます。
それが現在では、百名を下回る人数で、絶滅危惧種とも自虐的に言われています。
それでも最近は、若手や女性の浪曲師が少しずつ増えてきました。
新しい風を吹き込む試みも起きているのですよ。
4月に講談の神田伊織さんと浪曲の東家三可子さんによる、宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」を掛け合いで行う、新作ネタおろしがありました。
まるでミュージカルのような。
三味線にのせて話が展開する中、「星めぐりの歌」が歌われました。
♪ あかいめだまのさそり ひろげたわしのつばさ ♫
うん、いいなあ。
既存の垣根を越えて、話芸が、じんわり力強く広がっていく様子を見ることができました。
「旅ゆけば~~」
温泉の熱い湯につかって、
「旅ゆけば~~」
一節うなる姿が様になるような、渋い大人になりたいと思っていました。
が、イケオジの道は、遙かに遠く 。 。
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