ひとつ上の豊かさ 前編
~ 千疋屋総本店 日本橋本店 ~

リモートで、愛する中央区をナビゲートします、rosemary sea です。
日本初の果物専門店、創業天保5年(1834年)の高級フルーツの老舗・千疋屋総本店さん。
日本橋本店にお伺いして記事を書かせていただくのは5年ぶりとなります。過去に7度、掲載させていただきました。
今回、この時期の旬のフルーツなどをご紹介させていただきました。
株式会社千疋屋総本店 本店販売副部長の吉田さんに、今回もお世話になりました。
併せて、本店販売部アシスタントマネージャーの青山さんにご案内いただきました。
それではお品のご紹介です。
「」内は青山さんのコメントです。取材日は3月30日ですので、1週間前のコメントとして、それをふまえてご理解ください。
なお、お値段は全て税込価格です。
完熟マンゴー
2Lサイズ 1個 桐箱入
産地: 宮崎
糖度:15度内
22,464円

(他のお値段のものもございます。)
宮崎の温暖な気候風土と日本一長い日照時間の中で育ち、100%樹上で完熟させた温室マンゴーです。
完熟しているため多少やわらかい果実もありますが、食味には影響ありません。
少し冷やしてお召し上がりください。
南国の香り豊かな味を満喫していただけるでしょう。
● マンゴーの上手な切り方
中央に大きくて平たい種があります。
種を避け3枚におろすようにカットしてください。
切り方例 その1
① 両端を少し切り落とす。
② 皮むき器またはナイフで上から下に皮をむく。
③ 種を中心にして左右に切り分ける。
④ そぎ切りにしてお召し上がりください。
切り方例 その2
① 種を中心にして左右に切り分ける。
② ナイフでさいの目に切り込みを入れる。
③ 皮のほうから指で押し上げる。
④ スプーンでお召し上がりください。
「旬には少し早いですね。多分『母の日』ぐらいからが本番になってきまして、5月上旬中旬、ゴールデンウィークあたりからとか、そのあたりから本番になってきまして、夏終わりぐらいまで宮崎のものが入ってくるというような感じですね。
ー マンゴーと言えば宮崎ですね。
「宮崎ですね。」
ー この値段は当分続きますか?
「おそらく来週はもう少し下がってくるかな、と。(時期が)早いので、ちょっとお値段は高いです。けれども、旬を迎えると更にもう少しお値段の方が下がってきます。」
長崎びわ
Lサイズ 12個 桐箱入
産地: 長崎
糖度:13度内
12,960円

(他のお値段のものもございます。)
江戸時代後期、長崎・茂木(もぎ)町の三浦シオ氏は奉公先の主人が通辞(通訳)であったことから、中国商船が持ち込んだ「唐枇杷(中国原産のびわ)」の種子を買い受けました。
びわ栽培はその実生から広がったといわれています。
春の訪れを感じさせる長崎びわは、果肉はやわらかくジューシーで、上品な甘さが口の中に広がります。
「これもまだ『走り』です。これから5月6月ぐらいが一番良くなってくるかな、と。蒸し暑い感じの時にはちょうど良い、さっぱりとしたような味わいとなっております。」
さくらんぼ 佐藤錦
2Lサイズ 桐箱入
産地: 山形
糖度: 15度内
28,080円

(他のお値段のものもございます。)
赤いルビーのように輝く、日本のさくらんぼの代表品種です。
山形県東根市(ひがしねし:中央区との友好都市提携あり)の佐藤栄助氏が大正元年に「ナポレオン」と「黄玉」を交配、育成しました。
「佐藤錦」と命名されたのは昭和3年です。
果汁豊富で甘味の中にほどよい酸味もあり、その食味と品質は非常に優れています。
ー 山形、一大産地ですね。
「一大産地ですね。まだ全体的に早いです。」
ー 粒が揃って綺麗ですね。
「ハウスものですね、まだ。どうしてもこの時期ですと気温がまだ低いので、ハウスのものになります。」
ー 入荷不安定、となっていますが、お品があまり入ってこないこともあるのですね。
「そうですね、入ってこないですね。」
ー 味はどうですか?
「少し酸味はありますかな、と。」
ー でも、食すには十分、と。
「十分です。」
デリッシュネーブル
産地: 愛媛
糖度: 13度内
1個 2,160円

じっくり樹上で完熟した愛媛県中島産のネーブルオレンジです。
長く樹上にあることで、糖度や熟度と共に風味も増します。
そのためハウスでの低農薬栽培、最適な水分調整が行われています。
精魂込めて育てられたジューシーで上品な香り、完熟の美味しさをどうぞご賞味ください。
「愛媛県の中島地区というところで獲れたネーブルです。『デリッシュネーブル』というのは品種名ではなくて名称、中島地区で獲れた完熟ネーブルを『デリッシュネーブル』と呼んでいます。なので普通のネーブル、輸入ものであったり他の国内のものでもネーブルは獲れるのですけれども、他のネーブルと比べると酸味が穏やかになっていますので、非常に食べやすいです。」
小玉すいか
産地: 群馬
糖度: 11度内
1個 6,480円

小玉すいかは大玉すいかの小さなものではありません。
品種改良によって生まれた、とてもおいしい小型のすいかです。
甘さも果汁もたっぷり、皮の部分が薄いので食べごたえがあります。
冷蔵庫にまるごと入り、少人数でも召し上がりやすいサイズなので人気が高くなっています。
「大玉すいかの小さい版ではなくて、外の皮が薄くて、大玉すいかのしゃりっと感は残しつつも果汁は豊富、ジューシーなすいか、というかたちです。食べやすいです。」
ー ご進物用が多いですか? 食べるのも?
「そうですね、ご進物も多いですし、ご自身で食べるという方も多いです。」
ー 産地は群馬ですね。
「群馬です、藪塚(やぶづか:太田市の一部)です。」
ー すいかで糖度11度でしたらかなりの甘さですね。
「そうですね。」
ー すいかは水分が多いですから、甘みはこれで十分ですね。
「十分です。甘さもありますし、後に残るすいかの風味もまさに『残る』という感じですね。」
ー すばらしいですね、この旬は?
「すいか自体は一年中獲れるんです、今は。」
ー ハウスですか?
「ハウスですね。小玉すいかにつきましてはこの時期から夏の終わりぐらいまで、秋ぐらいまででしょうか、産地によっていろいろありますので・・・。」
ー まだは走りでしょうか?
「そうですね。」
ー これからお値段も下がったりは?
「この価格ですね。千疋屋としてはこの藪塚の小玉すいかを取り扱って、夏の盛りを通じて、千葉とか産地を変えながら、品種を変えながら、小玉すいかを続けていきます。」
ー 以前、メロンのお話を伺った際、『アンテナ』といわれる『つる』の部分で食べ頃を判断する、とお教えいただいたのですが、この小玉すいかはどこで食べ頃を判断しますか?
「逆に、(購入されて)すぐ食べた方がいいです。日が経ってくると水分が抜けていって、しゃりっとした感じも食感も悪くなっていってしまいます。小玉すいかにつきましては、この青い軸、日が経ってくると黒ずんできます。」
ー そうならないうちに、ということですね。
「よく昔からすいかをポンポンとたたくじゃないですか、日が経ってくると音がボンボンと鈍くなってきます。新鮮なうちはポンポンと高い音なんです。すいかに関してはお早めに。」
ー こちらに出された時点で食べ頃ですよ、ということですね。
「はい。」
ー すいかと言えば、昔、西郷隆盛さんが散歩がてら、こちらにすいかを買いに来た、とのことでしたね。『縁』があって明治の香りがしそうですね。
いちご あまりん
12粒 桐箱入
産地: 埼玉
糖度: 15度内
12,960円

「あまりん」は埼玉県開発のオリジナル品種です。
掛け合わせは「やよいひめ」と「ふくはる香」で、2019年に品種名「埼園い3号」として登録されました。
果実はやや大きく鮮やかな紅色、果肉は淡い赤色に染まります。
甘味が強く、酸味はおだやかで食味の良い苺です。
ー あまりん、埼玉産で有名な『あまりん』ですね。ロズマリもあまりんを買い求めたことはあるのですが、進物としましたので口には入れていません。甘さが凄いと聞いていますがお値段も凄いですね。
「凄いですね。一昔前に『あまおう』が出てきて、あまおう以降の目新しい品種がスカイベリー以外無くて・・・。」
ー スカイベリー、あの大粒の苺ですね。
「はい。私の中のイメージではあまおうの再来ではないですが、ブームになりました。」
ー 『あまりん』の最大の『売り』は何ですか?
「苺イコール酸っぱい、というようなイメージがついていますが、あまりんは名前の通り、苺本来の酸味を残しつつも甘さがある、というところでしょうか。」
ー 今までですと、苺と言えば栃木、『とちおとめ』とか『とちあいか』、『スカイベリー』も栃木・・・。
「埼玉から、こんな美味しい苺が、みたいな感じです。
ー 埼玉のどちら産ですか?
「埼玉県の中でも本庄市であったり、越谷市であったり、吉川市であったり・・・。」
ー 埼玉県の東側の方ですね。越谷と言えば千疋屋総本店さんが1834年、今から191年前に武蔵の国埼玉郡千疋から、現在の越谷市千疋から出てこられたのでしたよね。これも何か『縁』を感じます。・・・よく『苺狩り』と言いますと埼玉では秩父を思い浮かべるところですが。
「そうですね、違うところでもあまりんは作られています。ただ、生産者さんによって味が違ってきます。」
ー 品種としては『あまりん』ですよ、と言っても違いがありますか。千疋屋さんは市場での仕入れを厳選されている、と以前お伺いしましたが、『あまりん』という名前だけに引っ掛かるのではなくて、その中でも美味しいあまりんを仕入れされる・・・。
「そうです。」
ー 千疋屋さんのあまりん、1粒千円でびっくりですが、ぜひ口にしてみたいです。
美生柑(みしょうかん)
産地: 愛媛
糖度: 11度内
1個 972円

「和製グレープフルーツ」とも呼ばれる「河内晩柑(かわちばんかん)」は、熊本県河内町で発見されました。
黄色いなめらかな果皮、やわらかく果汁豊富な果肉、さわやかな風味の晩生柑です。
「美生柑」をはじめ、「ジューシーオレンジ」、「夏ぶんたん」など様々な名称で流通しています。
甘夏みかんのように皮をむいてお召し上がりください。
ー ちょっとこの名前の果物、知りませんでした、昔からありました?
「はい、昔からありました。」
ー 『和製グレープフルーツ』、とも呼ばれる・・・。『河内晩柑』・・・。
「産地によって『河内晩柑』であったり、『ジューシーオレンジ』であったり、いろいろな呼び名があります。」
ー 糖度11度はかなり甘いと思いますが、グレープフルーツとしては。
「そうですね。」
ー 甘みの他に何かありますか?
「『ジューシーオレンジ』と言われている通り、普通のグレープフルーツより果汁量が非常に多いです。」
ー こう言ったら何なのですが、千疋屋さんのフルーツのお品の中では比較的安価ですよね。
「ですね。」
ー これは旬だから安い訳ではありませんよね。常にこんなお値段?
「そうですね。毎年お値段としてはこれぐらいです。」
ー ロズマリは普通、グレープフルーツは苦手なのですが、そのような甘さやジューシーさを聞きますと、ロズマリでも楽しめそうなグレープフルーツですね。
「そうですね。やはり普通のグレープフルーツに比べて『苦み』が少なく果汁も多いので、普通のグレープフルーツよりは召し上がりやすいです。」
デコポン
産地: 大分
糖度: 13度内
1個 2,160円

長崎県の農林水産省果樹試験場で、「ポンカン」と「清見(きよみ)」の交配により、昭和47年に誕生しました。
品種寧は「不知火(しらぬい)」ですが、デコのある清見ポンカンなので「デコポン」。
皮がむきやすく、袋ごと食べられます。
種はほとんどありません。
そのすばらしい甘味と酸味のハーモニーをお楽しみください。
ー 昨今、外国の方が多くいらっしゃるのではないですか?
「多いですね。」
ー 外国人さん、金額に糸目をつけない方が多いのではないですか?
「そうですね。」
ー 円安も影響していそうですね。
「アジア系の方が多いですね。中国とか韓国とかアラブとか、こういった方々が糸目をつけないと言いますか。アメリカの方やヨーロッパの方は、少しシビアな感じです。」
ー 欧米の方は、お値段を見て、これはやめよう、とか。
「はい、それは多分、果物を食べる文化が違うからと思います。中国とかですと、山盛りになっている果物を普段食べているので、食べなれていると言いますか、価値がわかる・・・。」
ー 違いがわかる、ですか。
「そうですね。」
ー プレゼント用ですか? 自分で食べる用ですか?
「自分で食べるという方が多いですね。逆にヨーロッパとかアメリカの方は、ケーキを買っていってその場で食べる、という感じです、イメージ的に。当店は表にテーブル席がありますので、スペースがありますので、そこで食べていかれるというかたちです。」
ー 青山さん、ありがとうございました。
予告です
11日(金)に、後編としまして千疋屋総本店さんの「収穫の恵み プレミアムジェリー」をご紹介します。
ご期待ください。
千疋屋総本店 日本橋本店

日本橋2-1-2日本橋三井タワー1階
メインストア (果物・花販売部)
03-3241-0877
営業時間 10:00~19:00
元日を除き無休
千疋屋総本店さんのホームページはこちら