勝三郎

東京高速道路(KK線)の上を歩いてきました

4月5日に廃止になった東京高速道路(KK線)。

KK線は、首都高速道路と接続し、新橋から西銀座までの約2キロを結ぶ無料の高架道路として長年親しまれてきました。

しかし、老朽化や都市再開発などにより、「車のための道路」としての役割を終え、今後は「歩行者用の空間」として生まれ変わることになっています。

そんな新たな第一歩として、4月18日には、写真のパレードのあと「KK線リボーンセレモニー」、続く18日、19日には「Roof Park Fes&Walk」が開催されました。

19日の「Roof Park Fes&Walk」では、KK線は「新橋」から「西銀座」への一方通行。このイベントに参加し、かつて高速道路だった場所を歩いてみると、普段とは違う景色が広がっていました。

道路のカーブはバンクに

道路のカーブはバンクに 東京高速道路(KK線)の上を歩いてきました

入場して間もなく、土橋交差点付近で道路は大きく右にカーブしています。高速道路では、遠心力による横揺れを軽減するため、カーブの内側に向けて下り勾配(バンク)が設けられています。競輪の競技場や鉄道の線路にもバンクやカントと言った同様の傾斜が見られます。

歩行者用空間として生まれ変わるKK線では、この傾斜は解消されるでしょう。それは、車いすをご利用の方にとっても重要な改修となります。

 

JR線との並走区間

JR線との並走区間 東京高速道路(KK線)の上を歩いてきました

KK線のすぐ横を新幹線がすり抜けて行きます。その近さに驚きます。新幹線はピーク時には3分間隔で運行しています。

また、伊豆に向かう「サフィール踊り子号」が。伊豆の海と空をイメージした紺碧色の車体がきれいです。土曜日は一日わずか2往復。レアな写真が撮れました。鉄道ファンならずとも、カメラを構えたくなる風景がありました。

 東京高速道路(KK線)の上を歩いてきました

蔦の絡まる泰明小学校

蔦の絡まる泰明小学校 東京高速道路(KK線)の上を歩いてきました

数寄屋橋付近まで来ると、緑の多い景色が広がります。

そこで目に飛び込んで来たのは、蔦の絡まる泰明小学校。

この建物は関東大震災に建てられた中央区でも数少ない復興小学校舎。第二次世界大戦の東京空襲にも耐え抜いた堅牢な建物。そして、校舎とともに歴史を刻んできた蔦。ここには時間の流れを超えた存在感がありました。

コンテンツエリアでは、クラシックカーの展示など

コンテンツエリアでは、クラシックカーの展示など 東京高速道路(KK線)の上を歩いてきました

KK線の歴史の象徴として、かつて走っていたクラシックカーの名車も展示されていました。

 東京高速道路(KK線)の上を歩いてきました

イベント会場では、「じ~にょ」さんがパーフォーマンスで会場の盛り上げにひと役買っていました。

歩行者空間としてKK線の再生に向けて

歩行者空間としてKK線の再生に向けて 東京高速道路(KK線)の上を歩いてきました

■近距離モビリティ

近距離モビリティは、免許不要で歩行者空間を移動でき、高齢者や障害のある方の移動を支援するとともに、電動なので排出ガスを出さない環境にもやさしい乗り物です。会場では、WHILL社製のモビリティの試乗が行われていました。

 東京高速道路(KK線)の上を歩いてきました
 東京高速道路(KK線)の上を歩いてきました

■「東京グリーンビズ」のブース

最近の世界的な気温上昇や激しい自然災害などの解決のためにも、緑を守り、増やすことがこれまで以上に必要となっています。東京グリーンビズは、企業と住民と協力し、100年先も緑豊かな都市を目指すプロジェクトです。

KK線のテーマも、都市の再生と環境への配慮。

共通のテーマでつながる「TOKYO GREEN BIZ」のブースは、終日大勢の人でにぎわっていました。

また、ブースには、第10代ミス日本みどりの大使の安藤きらりさんが応援に来られていました。みどりの大使は、環境保護やSDGsの推進に貢献しています。また、安藤さんは、ミス日本コンテスト'24で、「みどりの大使」と「ミス着物」を同時受賞しています。

 東京高速道路(KK線)の上を歩いてきました

■ミストカー

ミスト発生装置を搭載し、気化熱の作用で体感温度を2~5度下げる効果があるミストカー。

都市の高温対策として、ヒートアイランド現象の緩和や熱中症の予防に貢献します。

 東京高速道路(KK線)の上を歩いてきました

新たな視点から都市の未来を描く

新たな視点から都市の未来を描く 東京高速道路(KK線)の上を歩いてきました

かつて車が行き交ったKK線の上を歩きながら、その風景を見て、これまでを振り返るとともに、都市が創り出す未来の可能性を垣間見ることができました。

KK線は、2030年代から2040年代にかけて、全区間を歩行者中心の空間として再生することを目指しています。

先の長い取組になりますが、それだけに丁寧に時間をかけて進めていただき、この空間が新たな賑わいと価値を生み出す場へと進化していくことを期待しています。