シーボルトと紫陽花

江戸時代(1823年)に長崎・出島のオランダ商館の医師としてシーボルトは日本へやってきました。
翌年、長崎の鳴滝にあった家を手に入れ「鳴滝塾」を開き、日本各地から集まってきた医者たちに医学などを教えています。1826年にはオランダ商館長の江戸参府に同行します。このことは、日本のことを調べる絶好の機会でした。道中でたくさんの名産品、動植物や魚介類、鉱物などを集めたり、緯度や経度、気温を測ったりしました。

植物の採取や調査で、はじめて観る美しい花(アジサイ)に出会います。その花に日本人妻の楠本滝(愛称・オタキさん)の名前から「Hydrangea otaksa(ハイドランジア オタクサ)」と名づけ『日本植物誌』に掲載し、西洋に紹介しました。

シーボルトは当時の西洋の最新医療技術を日本へ伝えるのと同時に、日本で生物学や地理学など多くの情報を集めてオランダに送り、日本文化の紹介などに貢献しました。

<2025年6月15日撮影>
あかつき公園のシーボルト像の周りには綺麗な紫陽花が咲いています。
◆『日本植物誌 Flora Japonica』(京都大学附属図書館所蔵)
◆あかつき公園
東京都中央区築地7-19-1