リポート!5/10中央区民カレッジ入学式基調講演「江戸のメディア王 蔦屋重三郎」

神田祭の真っただ中の5月10日、自分の町会の御神輿をかつぐのをあきらめて、銀座ブロッサムで行われた、中央区民カレッジ入学式・基調講演「江戸のメディア王 蔦屋重三郎~「物語」に命を吹き込むということ」を聴きに行ってきました。
前半は、「べらぼう」の制作統括(チーフプロデューサー)の藤並英樹さんの講演。まずは、先日放送された「100カメ」をさらに詳しくしたような、ドラマ制作の裏側をまとめた動画を拝見。撮影、照明、音声、美術、、、各専門集団の技術とこだわりが素晴らしかったです。特に、衣擦れや足音、戸の開け閉めのような「所作音」をいろんな道具で作って、後から音入れしているというお話が印象的でした。印象的だけど自然な音、それが作られた音とは、我々視聴者はまったく気づけないと思いました。

後半は、藤並さんと、ドラマ出演者のお二人とのトークセッション。
我らが日本橋の地本問屋さんを演じる、声優さん兼俳優さんのお二人。奥村屋源六役の関智一さんと、松村屋弥兵衛役の高木渉さん。
高木さんから藤並さんへの質問、「なぜ今まで大河で取り上げられてこなかった江戸中期を舞台にしたのか?」という質問には、「戦はないけれど、火山の噴火、地震、飢饉という災害があり、格差があり、閉塞感がある時代、現代にもつながるのではないか。その時代のキーパーソンとして、蔦屋重三郎と田沼意次を柱にした」というお話。
また、日本橋の地本問屋さんとして、ほかに、岩戸屋源八役の中井和哉さん、村田屋治郎兵衛役の村田洋治さんも声優さんで、みなさんが登場した第7回で話題になりましたが、藤並Pが声優さんにオファーする理由として、ご自身がアニメがお好きなこと、声優さんの声・セリフには力があって、まず時代劇のセリフは視聴者にしっかりと伝わることが重要だから、その点からも声優さんを信頼しているというお話がありました。
いよいよこれから蔦重が、我らが日本橋に進出する第二章、シーズン2(と言っているらしいです。藤並Pによると)が始まりましたが、今は対立している日本橋の本屋さんと蔦重が、これからどうなるのか?
実は、藤並Pが思い描いているのは、少年ジャンプ、ワンピースの世界というとっておきの話。つまり、敵がどんどん仲間になっていく・・(俄まつりの回のときも、ネットではそのような投稿がありましたよね~)
これから中央区が舞台になるということで、中央区では、イベントや勉強会など忙しくなってきましたが、どんどんゆかりの地を巡ってくださいとのことでした。
蔦重の耕書堂の場所はいわずもがなで、鶴屋さん、鱗形屋さん、西村屋さんの場所も、だいぶ情報出ていますが、上記4人の本屋さんの場所はまだ情報が少ないですね。みなさん、よりマニアックに探して巡ってみようではありませんか。

こちらは、神田祭から家に帰る途中、近所の、普段平日しかあいていない「蔦重通油町ギャラリー」があいていたため、思わず再訪して購入したもの。神田祭のため、特別に土日オープンしていたそうです。