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華麗なる三越劇場―東京建築祭で“百貨店の宝箱”を覗く

こんにちは!中央区観光協会特派員のsnowflakeです。

今年も「東京建築祭2025」がスタートしましたね。

このイベントでは、普段は一般公開されていない貴重な建築物が特別に公開されるため、建築物好きの私にとっても楽しみな催しです。

その中の一つが日本橋三越本店内にある「三越劇場」です。

実は先月末、ひと足早く特別に見学させていただきましたので、ちょっとだけご紹介したいと思います。

三越劇場とは?

三越劇場とは? 華麗なる三越劇場―東京建築祭で“百貨店の宝箱”を覗く

1927年(昭和2年)に完成した三越劇場は、日本で初めて百貨店内に設けられた本格的な劇場として誕生しました。

設計を手がけたのは、当時の横河工務所(現在の横河建築設計事務所)です。

劇場内部には、昭和初期の美意識と日本の職人技が凝縮されています。

石膏彫刻が施された壁面や、立体的で鮮やかなステンドグラスが彩る天井など、豪華な内装が当時のままの姿で丁寧に保存されているのが特徴です。

また、当時としては画期的だった空調設備も導入されており、空気を浄化しながら室内を快適な温度に保つという、現代のエアコンのような機能をすでに備えていました。

訪れると、まるで昭和初期にタイムスリップしたかのような感覚を味わえる、特別な空間です。

関東大震災と戦争からの文化的復興の舞台

関東大震災と戦争からの文化的復興の舞台 華麗なる三越劇場―東京建築祭で“百貨店の宝箱”を覗く

三越劇場は、もともと「三越ホール」という名称で、1927年(昭和2年)に日本橋三越本店の本館6階に誕生しました。

この劇場は、関東大震災で甚大な被害を受けた本店の再建に際し、「建物の復興だけでなく、文化的な復興を」という想いから作られました。

こけら落とし公演は1927年4月に行われ、戦後には名称を「三越劇場」と改めて現在に至ります。

開場以来、歌舞伎やファッションショー、舞踏会、コンサート、講演会など、幅広いジャンルの多彩な催しが行われ、芸術文化を発信し続けてきました。

“隠れライオン”を探せ!

“隠れライオン”を探せ! 華麗なる三越劇場―東京建築祭で“百貨店の宝箱”を覗く

三越といえば、正面玄関の「ライオン像」が有名ですが、実はこの三越劇場の中にも、“隠れライオン”がいるんです!

じっくり見ないと見つけられない場所に、さりげなくライオンの姿が潜んでいたりします。

見学の際には、そんな“隠れライオン”を探しながら館内を歩いてみるのも、ちょっとした楽しみ方のひとつです。

東京建築祭でも特別公開

東京建築祭でも特別公開 華麗なる三越劇場―東京建築祭で“百貨店の宝箱”を覗く

今回は幸運なことに日本橋三越本店独自の企画で、劇場内をじっくり見学する機会に恵まれましたが、東京建築祭2025でも見学できるチャンスがあります。

5月19日(月)と20日(火)は有料のイベントが開催され、5月22日(木)は無料で見学ができるようです。

※詳細は東京建築祭2025 公式ホームページでご確認ください。

ぜひみなさんも東京建築祭でこの素晴らしい空間を体験してみてください。そして“隠れライオン”も探してくださいね!