浜ちゃん

「中央区とのご縁:渋沢栄一④」(日本橋エリア)
~貨幣博物館:テーマ展「にちぎん券発行140周年 紙幣統一への道すじ」開催中(~7/13(日)、入場無料)、
渋沢栄一が肖像の紙幣は過去にも発行されていた?~

現在、貨幣博物館では、なぜ日本銀行券に紙幣が統一されたのか、また、どのように統一されていったのかを知ることができる、テーマ展「にちぎん券発行140周年 紙幣統一への道すじ」開催中です。

貨幣博物館 テーマ展「にちぎん券発行140周年 紙幣統一への道すじ」

最初に、「新一万円札の謎を解け!」のクイズです(出展:東京商工会議所)。答えは最後にあります。

Q:過去に一度、新札肖像の候補になりつつも、渋沢栄一翁が採用されなかった理由は?

私たちの手元にある紙幣は「日本銀行券」です。日本銀行は設立(1882年)の3年後、今から140年前、1885(明治18)年5月に最初の日本銀行券を発行し、これにより紙幣が統一されていきます。日本銀行ができる前、明治政府は、全国で使える紙幣を自ら発行していました。また、全国各地の民間銀行(国立銀行)も紙幣を発行していました。

なぜ日本銀行券に紙幣が統一されたのか、どのように統一されていったのかを知ることができるテーマ展が貨幣博物館で開催中です。詳細は、以下(↓)をご覧ください。

https://www.imes.boj.or.jp/cm/exhibition/article.html?20250415

日本の貨幣博物館には展示されていない渋沢栄一肖像の紙幣

日本の貨幣博物館には展示されていない渋沢栄一肖像の紙幣 「中央区とのご縁:渋沢栄一④」(日本橋エリア)
~貨幣博物館:テーマ展「にちぎん券発行140周年 紙幣統一への道すじ」開催中(~7/13(日)、入場無料)、
渋沢栄一が肖像の紙幣は過去にも発行されていた?~

渋沢栄一と言えば、20247月発行の新一万円札の肖像になっていることは皆さんご存じだと思いますし、新一万円札の記番号1番の紙幣は貨幣博物館に展示されています。

あまり知られていませんが、渋沢栄一が肖像となっている紙幣は過去にも発行されました。

1873年(明治6年)に、日本初の銀行となる第一国立銀行が設立されました。渋沢栄一は、第一国立銀行の創設に関わり、約60年間、総監役、頭取、相談役という地位を歴任しました。「国立銀行」は公的な銀行と勘違いされがちですが、紙幣発行が認められた「民間銀行」です。

第一国立銀行は紙幣発行が認められていたため、1878年に釜山(韓国)に支店を設けた後、韓国政府公認の紙幣として、渋沢栄一の肖像が記載された1円(ウォン)券、5円(ウォン)券、10円(ウォン)券の3種類の第一銀行券を韓国(当時の大韓帝国)で発行しました。この紙幣(画像)は、日本の貨幣博物館には展示されていませんが、ソウルの貨幣博物館に展示されているとのことです。下の画像の一番下に「COREA」(「KOREA」のことです)と記載されており、韓国の紙幣であることが分かります。

この話だけを聞いても、たくさんの疑問が浮かんでくると思います。

なぜ、民間銀行なのに「国立銀行」と呼ばれたのか?

なぜ、昔は、民間銀行が紙幣を発行していたのか?

なぜ、日本銀行が設立されたのか?

なぜ、日本銀行券に紙幣が統一されたのか?

等々。。。

貨幣博物館で開催中のテーマ展、「にちぎん券発行140周年 紙幣統一への道すじ」を訪れて頂ければ、これらの疑問が一気に解消します!

先ほどのクイズの答えは以下の通りです。

A:ヒゲがなかったから(伊藤博文とともに候補となったものの、ヒゲのある方が偽造されにくいとされたため、伊藤博文が採用された)。

【過去ブログ、参考資料・出典】

●過去ブログ:

      貨幣博物館の内外でお花見(日本橋エリア):https://tokuhain.chuo-kanko.or.jp/detail.php?id=5722

      永代橋際の日本銀行でお花見(日本橋、箱崎、新川エリア):https://tokuhain.chuo-kanko.or.jp/detail.php?id=5729

      トランプ関税で乱高下している「株式市場」(「東京証券取引所」内部見学、無料、予約不要)(兜町・茅場町エリア):https://tokuhain.chuo-kanko.or.jp/detail.php?id=5847

 

●参考資料・出典(ホームページ含む):

渋沢栄一記念財団、中央区、区のおしらせ「ちゅうおう」、日本橋図書館、中央区桜の見所マップ(中央区環境土木部水とみどりの課)、日本銀行、貨幣博物館、東京証券取引所、東京商工会議所、江東区、千代田区、埼玉県深谷市、KABUTO ONE、清水建設、IHI、平和不動産、清和総合建物、日本経済新聞、聖路加国際大学、読売テレビ

渋沢栄一の志を継ぐ日本橋兜町・茅場町の歴史散策(京橋図書館所蔵)、新装版 渋沢栄一(時事通信社)、渋沢栄一 日本のインフラを創った民間経済の巨人(ちくま新書)、渋沢栄一 社会企業家の先駆者(岩波新書)、渋沢栄一 「日本近代資本主義の父」の生涯(幻冬舎新書)、渋沢栄一を知る辞典(東京堂出版)、渋沢栄一伝 日本の未来を変えた男(小峰書店)、渋沢栄一 よく集め、よく施された(ミネルヴァ書房)、渋沢栄一 日本近代の扉を開いた財界リーダー(PHP)、雨夜譚 渋沢栄一自伝(岩波書店)、お札に描かれる偉人たち(講談社)、建築探偵の冒険(ちくま文庫)