「中央区とのご縁:渋沢栄一③」(兜町・茅場町エリア)
~トランプ関税で乱高下している「株式市場」~(「東京証券取引所」内部見学、無料、予約不要)

「トランプ関税の影響で、株式市場の相場が乱高下している」、とのニュースがテレビで頻繁に放映されており、ご覧になった方も多いと思います。私たちの生活にも密接に関係している「株式市場」とは、どんなところなのでしょうか。
東京証券取引所の設立

1878年(明治11年)株式取引所条例が制定されると、渋沢栄一は、東京証券取引所(以下、東証)の前身である東京株式取引所の設立を出願、大蔵卿の大隈重信から免許を受け取り、設立されました。
同年9月には渋沢栄一が設立・運営に深く関与した第一国立銀行(第一勧業銀行、現みずほ銀行)が株式を上場しています。東証は明治時代から現在までずっと兜町にありました。
東京証券取引所は予約なしで自由見学でき、無料です(土・日・祝祭日、年末年始を除く)

タイトル写真の建物はテレビでよく見かけますが、「東京証券取引所市場館」と呼ばれ、見学施設「東証アローズ」があります。「東証アローズ」は、2000年5月に誕生した、市場に関する情報の発信基地であり、予約不要で無料で自由見学できます。一般の方の内部見学の入口は、写真の「JPX」が掲げられた玄関ではなく、建物反対側(裏側)にあります。
建物内部に入ると、「マーケットセンター」(写真上段)などを見学することができます。ガラス張りの施設の上部に、クルクル回っている電光掲示板がありますが、これは「チッカー」と呼ばれています。チッカーには、売買が成立した株価の情報が次々と表示されており、取引が多くなると株価をたくさん表示するために早く回るようになっています。赤い数字が値上がり、緑の数字が値下がりを表しており、赤と緑のどちらが多いかを見てみると、リアルタイムで株価の動向をつかむことができます。ちなみに、日本でも儲かっていないことを「赤字」(英語でred ink)と言いますが、米国では値上がりは緑、値下がりは赤で表示され、グローバルでは米国式が一般的なようです。
東証アローズがある場所は、以前は「立会場」といって、証券会社の職員が手話のような手サインを使って株式売買を行っており、大勢の人がいました(写真下段)。昔は、「株式市場」といえば、この「立会場」が連想されました。東証アローズの内部を見学すると分かりますが、今は、見学者以外には、ほとんど人を見かけません。現在、株式の取引はコンピューターで行われており、「市場」といっても人が売買している訳ではないからです。
参考文献・出展、過去ブログ
東証、東証アローズ(ホームページ、資料等を含む)
●過去ブログ
① 貨幣博物館の内外でお花見(日本橋エリア):https://tokuhain.chuo-kanko.or.jp/detail.php?id=5722
② 永代橋際の日本銀行でお花見(日本橋、箱崎、新川エリア):https://tokuhain.chuo-kanko.or.jp/detail.php?id=5729