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2025 重陽の節句に嗜む 雅で風流な「菊酒」

 2025 重陽の節句に嗜む 雅で風流な「菊酒」

 9月9日は五節句の一つ、重陽の節句。                             節句は、中国伝来の陰陽五行説に由来する季節の節目の風習で、日本古来の文化習俗とも融合し、宮中行事に取り入れられ、江戸幕府が、人日·上巳·端午·七夕·重陽の五節句を公的な行事·祝日として定めて以降、民間に定着したとされます。            陰陽五行説では、奇数=陽 偶数=陰とされ、奇数の重なりを吉祥とする一方、重なり(極まり)は陰に転ずとも捉え、邪気を祓う風習が始まったとされます。五節句を締め括り、一番大きな陽数(9)が重なる「重陽の節句」は、重んじられていた時代もあったようです。   別名「菊の節句」とも呼ばれますが、旧暦では菊の最も美しい時季に当たり、古来中国では菊は延命長寿の霊草とされ、愛で、菊酒を嗜み、その薬効で長寿と厄祓いを祈願したことに因むとされます。築地波除神社では、10:00から祭典が執り行われ、「身に付けたり、御帳台の柱などに吊るし、端午の節句に薬玉と差し替える習わしの魔除けで、呉茱萸の実を緋色の袋に納めた『茱萸嚢(シュユノウ)』、白い菊には黄色の真綿を、黄色い菊には赤色の真綿を、赤い菊には白色の真綿で覆い、翌早朝に朝露を含んだ綿を外し、体を拭き菊の薬効により無病息災を願う『菊の着せ綿』といった平安時代の宮中の風習」や、「桃の節句に飾った雛人形を半年後の重陽の節句で再び飾る、江戸時代の風習『後のひな祭り/後の雛』」が当時に倣い再現され、獅子殿脇に飾られています。                        社務所端では、参拝者に神社御神酒に食用菊の花びらを散らした「菊酒」が振舞われています。    菊の花の芳香とその高貴な気品によって邪気を祓い寿命を伸ばすと考えられており、早朝に菊花に溜まった朝露を飲むことも同じ効能があるとされています。雅で風流な嗜み方です。