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2025 秋の彼岸を彩る 燃えるような造形美「ヒガンバナ」

 2025 秋の彼岸を彩る 燃えるような造形美「ヒガンバナ」

 秋の彼岸を彩るヒガンバナは今年も異変。猛暑の影響か開花が遅れ、石川島公園南端、相生橋南詰の複合施設「相生の里」前の隅田川テラス土手に群生するヒガンバナも彼岸明けの9月26日、漸う咲き揃い始め、この季節らしい風情を醸し出しています。       燃え盛る炎のような形状のヒガンバナは、中国原産のヒガンバナ科ヒガンバナ属の多年草で、サンスクリット語manjusakaの音写で 「伝説の天界の花」を意味する「曼殊沙華」の名でも呼ばれ、英名は形状由来の「Red spider lily」です。             地中の鱗茎にリコリンなどの有毒なアルカロイドを含み、害獣忌避対策にも利用されたと考えられ、一般に、土手、堤防、畦、道端、線路の際など、人出の入っている場所に生育し、殊に墓地や霊園に多く見られることから「墓花」「葬式花」「死人花」「幽霊花」「地獄花」など不吉な異名も多く見られます。                             同属の種にキツネノカミソリ、ナツズイセン、ショウキズイセンなどがありますが、形状が似るネリネ(ダイヤモンドリリー)は別属です。                               春先、地温を感じて花芽の分化が始まり、夏の高温下一旦花の形成が抑制され、秋、地温が下がると生育し、彼岸頃に真っすぐに伸びた花茎の先端に、6枚の細い花被片は反り返り、雄しべは長く突き出し、独特の華やかな形状の鮮やかな朱色の花を付けます。                       通常3倍体の染色体を持ち、不稔性で、鱗茎が分かれ栄養繁殖します。               花が咲いた後に線形の葉が伸び、翌春に枯れ、通常の草花とは逆の生態を持ち、葉と花一緒に見ることがない性質から、「葉不見花不見(ハミズハナミズ)」とも呼ばれます。                  白色のヒガンバナ(白色彼岸花/白色曼殊沙華)は、ヒガンバナとショウキズイセンの自然交配種と言われ、純白ではなく黄色味がかったり、ピンクが入ったりする個体もあるようです。