2025 小春日和 錦秋の大名庭園
今年は9月に入っても高温傾向で樹々の色づきに遅れが懸念される中、秋の深まりと冬の訪れが交差する時季を迎え、浜離宮恩賜庭園では、"落葉広葉樹" の樹々が、黄、橙、赤などカラフルに紅葉し、殊に大トリ「イロハカエデ」の色づきの鮮やかさも整い、来園者の目を楽しませてくれています。 園内の樹々約6,000本の内、イロハカエデは従前は延遼館跡並びに潮入の池周辺を中心に約25本と聞き及びましたが、江戸時代の歴史的景観の復元を目的とした潮入の池周辺修景整備に伴い、眺望阻害、樹形·生育不良の樹木を伐採·剪定し、史資料等各種文献に基づき新たにイロハカエデも植樹され、中島橋の袂から八景山にかけて周辺一帯は、鮮やかな紅葉に彩られた見通しの良い潮入の池の "歴史的景観" が蘇りつつあるようです。 イロハカエデは、春先から初夏にかけては、新芽·若葉·青葉の瑞々しい若緑~鮮緑の色相を呈し、秋に入り、黄~橙~赤とカラフルに移ろい、その端正で繊細な葉が四季を通じ我々の目を楽しませてくれますが、やはり紅葉シーズンは格別です。 葉の裏側から太陽を透かして逆光で見ると "鮮紅色" は一層際立ちます。 今年は老朽化に伴うお伝い橋並びに藤棚の木材更新工事の為、景観·眺望が若干変容しているのは否めませんが、それでも八景山から望む錦秋の大名庭園のパノラマは見応えがあります。
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