水辺のアルバム

昭和47年、チー坊がいた町へ
 ~前編~

 
さて、突然ですがここはどこでしょうか?
 
 
チ、チ、チ、チ、チ。
 
 
実はここ、50年以上前の佃です。そしてこの画像は、ある有名なドラマの一シーン。そのドラマというのは、「パパと呼ばないで」。チー坊と右京さんが織りなす、笑って泣けるあの名作です。1972年に初放送され、その後何度も再放送されていたので、ご存じの方も多いのではないでしょうか。このドラマの舞台が、当時の中央区佃近辺でした。現在、全40話がAmazon Prime VideoやApple TVで見ることができます。僕はこのドラマが大好きだったので、配信されるやいなや、あっという間に全話を見てしまいました。
 
画面のなかには、まるでタイムマシンで50年前に戻ったかのように、当時の風景が鮮明に映し出されています。もちろん、今のようなタワーマンションはありませんし、中央大橋もありません。清澄通りにはまだ都電が走り、隅田川には「カミソリ堤防」(当時そう呼ばれていました)がそびえ立っています。
 
下の画像が、同じ場所の現在の様子です。隅田川と後ろのタワマンから推測できると思いますが、ここは住吉水門の横にある、堤防に降りる階段です。監視所は新しくなっていますが、この階段と黄色い手摺(てすり)は、おそらく当時のまま。
 
「この階段に座って、チー坊と右京さんが焼き芋をほうばっていたんだなぁ……」
 
スマホでドラマの画面を見ながら実際の風景に目を移すと、二人がそこにいた気配を容易に想像できます。
 
ということで、今回のブログでは、ドラマ「パパと呼ばないで」の場面を振り返りながら、佃近辺の移り変わりをいくつかご紹介したいと思います。
 昭和47年、チー坊がいた町へ
 ~前編~

 

では次の問題です。ここはどこでしょう?ヒントは、右端の商店の看板に注目してみてください。

 

 昭和47年、チー坊がいた町へ
 ~前編~
 
これは清澄通りと佃大通りの交差点です。よく見ると、右側のお店に「たかさご精肉店」の看板が見えます。そう、年末にはチャーシューを購入する人々で長蛇の列ができる、あの「肉のたかさご」さんです。今では立派なビルになっていますが、かつては普通の町のお肉屋さんだったんですね。
 
この画像には写っていませんが、当時はこの交差点に都電の停留所があり、ドラマでも何度も登場します。佃大通りには他にもお店がたくさん並んでいて、かつては賑やかな商店街だったことがうかがえます。
 
それにしても、この「吸殻入」。現在ではありえない光景ですよね。このドラマでは喫煙シーンも頻繁に映し出されています。スマホやネットが登場するはるか前の時代、人々の生活は今と大きく違っていました。家に一台の黒電話、畳に座って家族全員で食べる朝食、桶を持って通う銭湯……。今ではあまり見られなくなったこうした光景は、今の若い人の目にどう映るのでしょうか。
 
下の画像が現在の様子です。角の建物はお店こそ変わっているものの、窓の形状から同じ建物だとわかります。また、左角の酒屋さんも、ドラマの画面に少ししか映っていませんが、おそらく当時と同じ建物ではないでしょうか。
 
 昭和47年、チー坊がいた町へ
 ~前編~
 
では、第三問目。この橋はどこでしょう?ヒント。右側のマンションは、オレンジ色の模様もそのままに今でも建っています。
 
 昭和47年、チー坊がいた町へ
 ~前編~
 
下の画像が現在の様子です。そう、相生(あいおい)橋です。画像は越中島方向から月島方向を見ています。相生橋は1998年に現在のトラス桁橋に架け替えられたため、50年前の面影はまったくありません。当時の写真では橋の左側にカミソリ堤防が見えますが、今はスーパー堤防として綺麗に整備されています。
 
実はこのあたり、人も少なくて水際にベンチがあり、中央区とは思えないほどのどかな風景が広がっている、僕のお気に入りの場所です。その昔、あの「海水館」があった風光明媚(めいび)な別荘地だったというのも納得です。また、オレンジ模様のマンションしかり、当時としては高い建物がたくさん立っていたようですね。
 
 昭和47年、チー坊がいた町へ
 ~前編~
さて、今回はドラマ「パパと呼ばないで」に映し出される50年前の佃近辺の風景をご紹介しましたが、これはほんの一部にすぎません。このブログでは、個人のお宅への配慮からご紹介を遠慮しましたが、作中には今も残る、当時の下町情緒あふれる家々がたくさん登場します。
 
ご興味を持たれた方は、まずはぜひドラマをご覧になってみてください。そして、スマホを片手に実際の映像を見ながら、佃近辺を散策してみてはいかがでしょうか。当時の画像と現在の風景を頭のなかで重ね合わせれば、ちょっとしたタイムスリップ気分が味わえるはず。今にも路地からチー坊が飛び出してきそうです。
 
また、映像に隠されたヒントから、当時の場所を探し出すのも面白いかもしれません。家々の住所表記がそのまま映し出されていることも多く、場所の特定に大いに役立ちます。「住吉神社」や、佃煮の「天安」さんなど、今も残るスポットを頼りに想像力を働かせて歩けば、意外と簡単に場所を見つけられるかもしれません。佃の散策が何倍も楽しくなること間違いなしです。
 

次回はもっとディープな50年前の佃にお連れします。お楽しみに!


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本ブログにおける「パパと呼ばないで」の画像掲載につきましては、制作会社であるユニオン映画株式会社様より許諾をいただいております。ご理解とご協力に、深く感謝申し上げます。