勝三郎 プロフィール
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狐忠信の魅力を体感─10月の歌舞伎座 『義経千本桜』通し上演の見どころとは
通し狂言のラストを飾る今回の『義経千本桜』。 私は歌舞伎座に通うようになって、6年ほどが経ちます。たまに妻と一緒に出かけることもありますが、歌舞伎の長いセリフや物語のゆっくりとした進行に、横でうとうとしていることも少なくありません。そんな妻が目を輝かせて見入っていたのが、今回の『義経千本桜』の狐の場面でした。 2020年11月の第4部『義経千本桜 川連法眼館』で演じられた「佐藤忠信、実は源九郎狐」。狐を演じたのは中村獅童。普段は勇ましい武将の姿を見慣れていた獅童が、愛らしい狐に扮したそのギャップと、狐の身振りで舞台を縦横に駆け回る高い身体能力にも二人で驚いたものでした。
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9月歌舞伎座『菅原伝授手習鑑』 〜よみがえる280年の物語
歌舞伎座では毎年9月、初代中村吉右衛門(1886–1954)の功績を記念して「秀山祭」が行われています。ここでは、初代が得意とした義太夫狂言(三味線などにに合わせて演じる歴史劇)などを、ゆかりの役者たちが上演します。 今年は松竹株式会社の創業130周年にあたり、義太夫狂言の名作が順番に上演されています。2月は『仮名手本忠臣蔵』、そして9月は初代吉右衛門の代表作でもあった『菅原伝授手習鑑』です。 この作品は長編のため、普段は人気の部分だけを上演します。しかし今回は最初から最後まで通して上演する特別企画です。A・Bプログラムに分かれ、多くの役者が出演し、豪華な顔ぶれとなっています。 左大臣・藤原時平を演じるのは、初代吉右衛門の孫である松本白鵬です。武部源蔵は、ひ孫の幸四郎と玄孫の染五郎が務めます。 菅丞相(菅原道真)は片岡仁左衛門(15世)が演じます。演劇評論家・宮辻政夫の著書『仁左衛門花実抄』(2025年5月刊)によれば、11世・13世仁左衛門が演じる「菅丞相」も高い評価を得ました。そして「当代仁左衛門も決定版とも言える人物像を作り上げ、この役は片岡家の『家の芸』といっても良いだろう」と評されています。 さらに、初代吉右衛門の屋号「播磨屋」を受け継ぐ中村歌六は、長男・米吉と共に出演します。弟の又五郎は長男・歌昇、孫の種太郎・秀乃介、次男・種之助とともに舞台に立ち、一門総出で臨みます。歌六・又五郎兄弟は、映画スター萬屋錦之助を叔父に持ち、一時「萬屋」を名乗りましたが、2010年に伝統ある「播磨屋」に復帰しました。 『菅原伝授手習鑑』は初演から280年を経てもなお人々を魅了し続けています。この秋、歌舞伎座でしか味わえない全段通しの特別な舞台を、あなたも客席で体感してみてはいかがでしょうか。 【主要な役者の家系図】
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