勝三郎

『MORI BAR GRAN』(毛利バー グラン)
銀座を彩る八重桜と世界を魅了する一杯

桜とともに生まれたバー

桜とともに生まれたバー 『MORI BAR GRAN』(毛利バー グラン)
銀座を彩る八重桜と世界を魅了する一杯

銀座6丁目に建つ「サクラマークス銀座612」。

13階と屋上に店を構えるのが、2020年に開店した「MORI BAR GRAN」(毛利バーグラン)。この空間の象徴は、2層を貫く高さ10メートルの八重桜。八重桜は開花の期間が長く、開花の時期などにはイベントも行われます。どちらの階からも、南に東京タワー、北にはスカイツリーを望む絶景が広がります。銀座SIXの裏から出ると正面にあり、アクセスも抜群です。

MORI BAR本店からも近くインタビューのあと、連れて来ていただきました。

毛利さんは「5年経って、ずいぶん立派になったなぁ」と桜を見上げました。

 『MORI BAR GRAN』(毛利バー グラン)
銀座を彩る八重桜と世界を魅了する一杯

桜の一杯と“身体にいい”カクテル

カウンターに座り、最初の注文をしました。

『毛利マティーニ』と『ハバナ・マティーニ』はこれまでに飲んだので、まずは『テン・マティーニ』。

『毛利マティーニ』と同じ美しいマティーニ・グラス。ボヘミア・グラスで世界的に名高いチェコのマイスターによるハンドメイド。カップとステムの繊細なバランスも絶妙。そこに注がれる琥珀色のマティーニはタンカレーNo.10”という完成度の高いジン。苦味系リキュールを加えることで、味と香りに深みが出ます。

『毛利マティーニ』より、さらにドライに感じた、大変大人な一杯でした。

 『MORI BAR GRAN』(毛利バー グラン)
銀座を彩る八重桜と世界を魅了する一杯

次は、曽我部店長おすすめの『吉野』。GRANの桜とも相まって、飲まずには帰れません。

『吉野』は、毛利さんが1983年に初のコンペティションでチャレンジした歴史ある一杯。淡い緑にふわりと浮かぶ桜の花びらが幻想的な余韻を添えています。

現在、国際的なカクテルコンテストでは、豊かな感性で、繊細な味覚や緻密な技術、ホスピタリティを持つ日本人バーテンダーが大活躍していると伺いましたが、その感性を毛利さんは40年前に花開かせていたんだなと感じた逸品でした。

 『MORI BAR GRAN』(毛利バー グラン)
銀座を彩る八重桜と世界を魅了する一杯

店長からは、マティーニは強いので、ほとんどの人は3杯が限度と伺ったので、最後は、身体にいいマティーニをお願いしました。そこで出てきたのは『ドクターM』。MはMr.Moriのイニシャルです。

4種類の薬草系リキュールをミックスしており、「CYNAR(チナール)」というのは、私の好きなアーティーチョークから作られた薬草酒。また、店長が手に持つ小瓶「ウンダーベルグ」には消化促進効果があり別名アルコール入りソルマックとも。それをライムジュースで割っているので、マティーニよりもアルコール度数は低い、飲みやすく元気が出そうな一杯でした。

 『MORI BAR GRAN』(毛利バー グラン)
銀座を彩る八重桜と世界を魅了する一杯

世界が集うカウンター

毛利さんはこれまで上海でもカクテルの講習会をたびたび開いており、中国にもお弟子さんがたくさんいるとのこと。また、キューバのバーでは、「ハバナ・マティーニ」の注文が途切れず、何時間もつくり続けたことなどを伺いました。世界にも名前を知られる毛利さん。この「GRAN」は、お客さんの78割が外国人という国際的な空間です。

カクテルにも助けられ、私の隣の席に初めからひとりで座っていた方に、お店の方からひと声かけていただいて、お話を伺うことにしました。

この方は、中国の広西桂林から来られたとのこと。そこは中国南部の自治区に位置する都市で、山水風景が世界的に有名な観光地だそうです。6泊の日本滞在も終盤で、中国のSNS「小紅書(通称RED)」をみて、ここに来たとのことでした。「RED」は、グルメや化粧品などの口コミが豊富で、中国ではGoogle代わりに使われているSNSです。「毛利バー」は、中国語で「毛利酒吧」ですが、この言葉でweb検索をすると、中国語で毛利バーを紹介する記事が出るは出るは・・・中国でも人気であることを目の当たりにしました。

 『MORI BAR GRAN』(毛利バー グラン)
銀座を彩る八重桜と世界を魅了する一杯

次にお話を伺ったのは、ロシアからのカップル。来店のきっかけは、このビルの下の階にある店で寿司を食べていたところ、バーに行きたくなって、この店があることを知り、偶然ここに来たとのこと。

バーテンダーに「日本風の特別なカクテルを作ってくれ」とお願いして、本当に自分好みのものをつくってもらったと喜ばれていた、大変フレンドリーな方々でした。Google翻訳は便利です。

 『MORI BAR GRAN』(毛利バー グラン)
銀座を彩る八重桜と世界を魅了する一杯
 『MORI BAR GRAN』(毛利バー グラン)
銀座を彩る八重桜と世界を魅了する一杯

バーではどうすればよいですか?

バーでは落ち着いた照明のもとで、木のぬくもりがある家具や革張りの椅子があり、丁寧な接客によって、多彩なメニューから好みの一杯が提供されます。

銀座はバー文化の発祥地であり、現在も老舗と新鋭の約300店舗が共存しています。そんな銀座のバーに初めて行き、重い扉を開けるのは、少しばかり勇気がいることですが、その楽しみ方をお聞きしました。

毛利さんは、「初めてでは難しいかもしれないけれども、お客さんの好みを聞き、好みにピッタリ合うものを出すのがバーテンダーの仕事なんだから、分からないことは遠慮なく聞き、好みも伝えてほしい」といいます。確かに、このロシアの方は、言葉は通じなくても、スマホでしっかり好みを伝えて満足のいく一杯をゲットしています。

男性でも女性でも入口で「こんばんは」と挨拶し、まずはカウンターの端のあたりに座って注文し、バーテンダーやお客さんとの会話を楽しむことができます。あるいは、饒舌に語らなくても、心を開いて笑顔や会釈でゆったりした雰囲気に溶け込めば、一期一会の一杯を楽しむことができるのではないでしょうか。

MORI BAR GRAN 店舗情報

座席数           23席 カウンター10/テーブル8/屋上5

営業時間        月〜金 12:0026:00LO 25:30) 

      土日祝 〜23:00LO 22:30

定休日             無休

アクセス        銀座駅A4出口 徒歩4分 銀座シックス裏

チャージ        18時まで 1,000円/18時以降 1,900

ドレスコード  室内のみ男性の短パン不可     

ホームページ   https://mori.bar/