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2020 新春の馥郁たる香り

 2020 新春の馥郁たる香り

 緑少なく、まだまだ寒さ厳しい季節ですが、浜離宮恩賜庭園の潮入りの池の畔、松の御茶屋近くでは、凛として咲く、蜜蝋に似た光沢のある可憐な黄色い花「素心蝋梅(ソシンロウバイ)」の静謐で穏やかな芳香が漂っています。                名前に "梅" が付きますが、中国原産のロウバイ科ロウバイ属の落葉低木で、別科の木本。ソシンロウバイの花には多数の花被片(花弁と咢が形状的に類似している場合の総称)があり、陽を浴び透けて見える艶やかな独特の質感です。               加えてリナロール、ボルネオール、シネオールなどの精油成分由来とされる、ニホンスイセンにも似た上品で清々しい芳香は、梅と比べても強くはっきりとしており、その馥郁とした香りには安らぎを覚えます。                         俯き加減に咲き、和の趣を有し、茶花としても人気があるようです。