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春空に映える「春黄金花(ハルコガネバナ)」

 春空に映える「春黄金花(ハルコガネバナ)」

 3月14日、東京管区気象台より、都心で、1953年の統計開始以来最も早くソメイヨシノが開花し、23日に満開を迎える見込みの旨報じられました。ソメイヨシノの標準木としては全国で最も早い開花発表です。佃公園の桜も花が開き始めていますが、今回注目したのは、早春を代表する花のひとつの「サンシュユ(山茱萸)」。

サンシュユは、中国・朝鮮原産のミズキ科の落葉小高木で、江戸中期頃に薬用植物として渡来したとされます。樹皮は薄茶色で薄く剥がれ落ちるのが特徴。早春に若葉に先立って短枝の先に、長く突き出した4本の雄しべの4弁花の黄色い小花が20~30輪程集まり、直径2~3cm程の小さな花房(散形花序)をつくって開花し、早春の陽光を浴び木全体が黄金色に輝いているように見えることから別名「ハルコガネバナ(春黄金花)と称されます。葉は広卵形で、葉脈が目立ち、側脈は湾曲しながら先端に向かい、表面は濃緑色で光沢があります。果期は秋で、グミのような赤い実をいっぱい付け、珊瑚に例え「アキサンゴ」とも呼ばれます。紅熟した実から種を取り除き乾燥した果肉は「山茱萸」と呼ばれる生薬となり、果実酒としたものは古くから滋養強壮や疲労回復の民間薬として利用されています。