人形町駅から行ける、静かな佇まいの神社 ⑪
~ 富澤稲荷神社 ~
『ギフト、そして自分も楽しむ』をノーブルに取材します、rosemary sea です。
『人形町駅から行ける、静かな佇まいの神社』シリーズ、今回は第11回、富澤稲荷神社(とみざわいなりじんじゃ)をご紹介します。
それでは・・・
御由緒
創建年は不詳です。
昔は巴熊稲荷神社と称され、新大坂町などの合併とともに富澤稲荷神社と改称された、と云われています。
明治6年以来、神田神社の業務社となっており、以来、富沢町の守護神として崇められています。
白い玉砂利も清潔感を醸し出しています。
ここも建物に囲まれていますが、左隣りは建て替え工事中でした。
(最初の画像を参照願います。)
今回も江戸古典落語を少々。
古典落語としては第4回となります。
ロズマリ大親友のWさんのリクエスト、「芝浜(しばはま)」をお送りします。
「芝浜」の背景としましては・・・
魚市場は現在、豊洲にありますよね。
少し前まで築地、その前は日本橋。
この「芝浜」の頃、江戸時代はその日本橋が主流の魚河岸でした。
現在の港区芝・芝の浜は「雑魚場(ざこば)」、魚河岸としてはとてもマイナーでした。
落語「芝浜」は・・・
以前にもご紹介しました、三代目桂三木助師匠(1902ー1961)。
甘酒横丁のにんぎょう町草加屋さんの手焼きせんべいが大好物で、弟子たちに食べられないよう金庫に隠した、という逸話の人物。
「芝浜」を得意とし、「芝浜の三木助」と呼ばれたことも。
それでは・・・
「芝浜」
長屋住まいの魚屋、勝五郎は大の酒好きで怠け者。
女房にせかされ、仕入のため芝の河岸に向かう。
しかし魚河岸はまだ開いていない。
「かかあの奴、時を間違えやがったな。」
浜で夜明けを待っていると、砂浜に皮の財布が落ちている。
中にはお金がずっしり50両。
飛んで帰って、友達を呼び大騒ぎ、酔いつぶれて寝てしまう。
翌朝、河岸に行くようにと女房に起こされる。
「きのうの50両があるじゃねえか。」
「何寝ぼけているんだい、お前さん。それは夢だよ。」
「・・・そうか夢か、情けねえ、これからは酒を断って稼ぐ。」
改心して商売に励みます。
3年で表に店を構えるようになります。
大晦日の晩のこと、女房に献身をねぎらい頭を下げる。
すると女房は50両を出してきて、勝五郎に3年前の本当の話を・・・。
あの晩、勝五郎が寝ている間に、女房は50両を持って長屋の大家さんに相談に行く。
大家さんの入れ知恵で、50両はお上に届け出、勝五郎には「夢」と嘘をつく。
時が経ってお上から50両が下げ渡された、とのこと。
今宵、女房はお酒を用意。
猪口を手にした勝五郎、手を止める。
「よそう、また夢になるといけねえ。」
富澤稲荷神社
日本橋富沢町7-18
東京メトロ日比谷線・都営浅草線 人形町駅 A4出口の久松警察署・明治座さん側(人形町交差点側ではありません)を出て右手の金座通りを左方向へ、最初の信号を左折、約120m先の4つめの角を右折、約50m左側。
人形町駅より徒歩4分です。