yaz プロフィール
-
江戸言葉のはじまりと八丁堀「玉円寺」の面白い話
江戸弁の成立はいつかははっきりしていません。家康入府以前といえば太田道灌(1432~1486)ですが、開府当初は上方系の言葉も使われていたと想像されます。徳川家康は三河出身であり、家康に従って江戸に入った家臣や商工業者も三河・駿河さらには尾張・伊勢の出身者が多数を占めていました。京や大阪の稲荷社を勧請して建立したため江戸初期には江戸に多いものとして「伊勢屋、稲荷に犬のくそ」と言われていたように、上方の言葉が主流だったようです。 人形町にある「松島神社」は代表的な例です。この神社の御祭神は次の14にも上ります: 稲荷大神・伊邪那岐大神・伊邪那美大神・日前大神(天照大神)・北野大神(菅原道真公)・手置帆負神・彦狭知神・淡島大神・八幡大神・猿田彦神・琴平大神・天日鷲神(大鳥大神)・大宮能売神(おかめさま)・大国主神(だいこくさま) 社地周辺を埋め立て武家屋敷を造営する工事の際に各地から大工、左官、家具職人達が集められました。そのまま土着した者も多く、町の中心に位置した松島稲荷には各々が出身地の氏神の合祀を依頼したため、結果として御祭神が14柱と、稀に見る多さとなっています。 このような背景の下に「江戸言葉」が出来たのでしょうから、江戸言葉の成立は「これだ」と単純に指摘するのは難しいでしょう。
歴史・文化日本橋・京橋周辺銀座周辺築地・八丁堀周辺人形町周辺その他yaz
記事を読む
-
三井記念美術館展示会『三井高利と越後屋』 (~2023年8月28日まで開催)
三井越後屋が延宝元年(1673)に開店してから令和5年(2023)で350年を数えます。公益財団法人三井文庫・三井記念美術館では、これを記念して特別展「三井高利と越後屋―三井家創業期の事業と文化―」を2023年6月28日~8月31日の期間に開催しています。(この展示会については7月5日にブログ名「滅紫」さんが紹介していますが、興味のある視点が私とは異なりますし、展示会期間が1ケ月弱も残っていますので再度紹介させていただきます) 三井グループの創業者、三井高利(みついたかとし)(1622〜94)。52歳のときに呉服店「越後屋」を開き、「現金掛け値なし」の商法で当時の商慣習を覆した、江戸時代の革新的経営者です。高利と子どもたちは様々な画期的商法で成功を収め、事業を発展させました。展示会ではこの画期的な商法の一端が紹介されています。 三井各家は、事業の発展とともに茶の湯などの文化活動にも力を入れていたので多くの茶道具を収集していましたが、それらが当展覧会で出品されています。 また三井の家法「宗竺遺書そうちくいしょ」や分厚い経営帳簿など普段見ることのない歴史資料なども出展され、創業期から成長期の事業・文化・信仰をわかりやすく展示しています。
イベント情報歴史・文化お役立ち情報日本橋・京橋周辺yaz
記事を読む
-
旧日本橋区の地名の頭につく「本」「元」「北」「新」
yaz
-
ドン・ロドリゴの『日本見聞録』に記されている江戸時代初期の「日本橋」地区の姿
yaz
-
『どうした徳川家康』 幾何学の問題の答えは?
yaz
-
『中央区』は”江戸区”になっていたかもしれない!
yaz
-
江戸で最初の大火と瓦葺屋根
yaz
-
江戸弁の「ひ」と「し」の混同
yaz
-
歌舞伎小屋江戸三座・四座は有名ですが、蛎殻町の歌舞伎小屋「中嶋座」を知っていますか?
yaz
-
川本幸民の復刻版ビール(小西酒造製造)の試飲と街おこし
yaz
-
中橋に「擬宝珠」はあったか?
yaz
-
歌舞伎発祥の地と言われる中橋南(現京橋1丁目辺り)説を、疑ってみた!
yaz