銀座の四つ角(よつかど)の四角(よすみ)
2020年8月8日付のRIEdelさんの特派員ブログでレポートされていたように、銀座三越(本館)の新しいファサード「銀座シャンデリア」が完成しました(ただし、ライトアップの開始は11月の予定)。今後、和光本館の時計塔との共演に注目したいところです。
銀座三越の新しい「顔」が誕生したこの機会に、銀座の「へそ」といえる銀座四丁目交差点を紹介させていただきたいと思います。
北の角:和光本館(旧服部時計店本社ビル)
銀座四丁目交差点といえば和光本館をまず思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。現在のネオルネサンス様式の建物は、旧服部時計店本社ビルの二代目です。1932年竣工で、高さは39.39m(屋上までの高さ30.30m、時計塔の高さ9.09m)。当時は1919年制定の市街地建築物法(旧建築基準法)によって建築物(屋上工作物を除く)の高さは百尺(約31m)に制限されていました。2009年には経済産業省「近代化産業遺産」に認定されています。
和光本館の時計塔は銀座の象徴的な存在ですが、服部時計店の歴史を醸し出す壁面の6つの装飾レリーフもたいへん興味深いと思います。
※下の写真左から「貴金属を象徴するカップ」「服部時計店の竣工当時の商号」「商業の神にまつわる紋章」「服部時計店の竣工当時の商号」「砂時計」「転鏡儀」
西の角:三愛ドリームセンター
通称「三愛ビル」の三愛ドリームセンターは1963年竣工。高さは48m(屋上ネオン塔を含む)です。総ガラス張り円筒形の建物は奈良・法隆寺の五重の塔からの着想で、2003年には「DOCOMOMO JAPAN選定 日本におけるモダン・ムーブメントの建築」に選定されています。2014年9月にネオン塔をリニューアル。デザインは以前と同じですが、太陽光発電と風力発電による電力のみを夜間の照明に使用するシステムが導入されました。
南の角:銀座プレイス
この場所は1911年に日本におけるカフェの草分けのひとつ「カフェー・ライオン」が開業したところです。2016年に「サッポロ銀座ビル」が改築され、「銀座プレイス」となりました。高さは55.86m(後述の2006年に改正された地区計画「銀座ルール)」に準拠)で、ユニークな外観のデザインは「透かし彫り」技法からイメージしたもの。ライトアップも見事です。
東の角:銀座三越(本館)
銀座三越は1930年に開店しました。現在の本館の建物は竣工1968年の二代目です。ちなみに1971年7月20日にはマクドナルド日本1号店が銀座三越(本館)1階で営業を始めたことで大きな話題となり、日本マクドナルドの成功につながりました。なお、和光本館と同様、本館は市街地建築物法(旧建築基準法)に準拠して高さは31mです。一方、2010年竣工の新館は1998年制定・2006年改正の地区計画「銀座ルール(建築物の高さ制限を56mとし、屋上工作物の高さを10mに制限)」に準拠して高さ56mとなっています。
注目の新しいファサード「銀座シャンデリア」のライトアップ開始の具体的な日時を知りたいと思い、銀座三越にメールで問い合わせをいたしました。ご担当の方から回答をいただきましたが、「クリスマスのタイミングに合わせて、ライトアップを11月に予定しております。現在ライトアップを銀座の街のイルミネーションがスタートするタイミングに合わせて実施出来ないか、銀座の街と協議を行っている段階ですので、具体的な日程は決まっておりません」とのことでした。今年のイルミネーション・プランの発表がとても楽しみです。