ちょっと気になる中央区の神社 ③
~ 薬祖神社 ~
リモートで、愛する中央区をナビゲートします、rosemary sea です。
「ちょっと気になる中央区の神社」シリーズ、第3回の今回は、薬祖神社(やくそじんじゃ)をご紹介します。
第2回でご紹介しました「福徳神社」の隣りにあります。
それでは・・・
御由緒
わが国で「医薬の祖神」と言われているのは、大己貴命(おおなむじのみこと)と少彦名命(すくなひこなのみこと)の二神で、共に国土経営に尽力され、薬の術や医道、酒造諸々を教えたと「古事記」や「日本書紀」「風土記」等に述べられています。
大己貴命は須佐之男命(すさのおのみこと)の子孫で、大国主命と同じ神様です。
神話や童話でも親しまれ、特に「因幡(いなば=現在の鳥取県)の白兎」の神話は有名です。
少彦名命は神産巣日神(かみむすびのかみ)の御子で蛾(が)の皮の着物に豆の実のさやの舟に乗っていたという大変小さな神であったようです。
日本橋本町の薬業界では、昔からこの二柱を祭神とする水戸の大洗磯前(おおあらいいそさき)神社、酒列磯前(さかつらいそさき)神社や東京上野の五條天神社に参詣して崇敬の念を表してきました。
明治41年(1908年)からは、東京薬種貿易商同業組合(現:公益社団法人 東京薬事協会)が東京上野の五條天神社から薬祖神(やくそしん)の御霊(みたま)を迎え大祭を執行し、昭和4年(1929年)には事務所建物の屋上に薬祖神社(初代社殿)が造営され、昭和58年(1983年)には昭和薬貿ビル屋上に第2代目の社殿が造営されました。
さらに平成28年(2016年)9月に現在地に第3代目の薬祖神社が遷座し今日に至っています。
福徳神社の隣りに鎮座しますが、直に関係がある訳ではないようです。
手入れもお掃除も十分にされております。
上の2画像でもお分かりのとおり、製薬関係の諸企業が、この神社には関わっておられるようです。
玉垣に、それぞれ銘が刻まれています。
今回も江戸古典落語をご披露させていただきます。
第40回を迎えました。
今回は、「薬祖神社」の「薬」から、「薬缶(やかん)」をチョイスしました。
「薬缶」
知ったかぶりで高飛車のご隠居のところへ八五郎がやってきます。
「ご隠居、魚のイワシはなぜイワシって言うんですか?」
「それは、岩にシィーするから」
「マグロは?」
「群れをなして真っ黒で泳ぐから」
「コチは?」
「こっちへ泳いでくるから」
「タイは?」
「目出度いから」
「クジラは?」
「必ず9時に起きるから」
「ヒラメは?」
「平たいところに目があるから」
「カレイも平たいところに目がありますが?」
「あれはヒラメの家来で、家令をしてる」と、隙を見せません。
「ウナギは?」
「昔はヌルヌルしてるのでヌルと言ったが、ある日、鵜が呑み込もうとしたが、長いので四苦八苦、難儀した、ということで鵜難儀、ウナギ」
「じゃ、やかんは?」
「昔は水沸かしと言ったんだが、川中島の合戦の折、夜襲を受けた若武者が兜が見つからず、代わりにかぶった、そこに敵の矢が当たってカーンという音がした、矢が当たってカーン、だからやかん」
「蓋とかつるとか口がついてますが?」
「蓋はくわえて面の代わり、つるはあごへかけて緒の代わり、やかんの口は敵の名乗りが聞けるように耳代わり」
「耳なら両方についているのが普通ですよね?」
「耳がない方は、枕につけて寝る方だ」
薬祖神社
日本橋室町2-5-8
東京メトロ半蔵門線・銀座線 三越前駅が至近です。
日本橋三井タワーさんの向かいを入り、福徳神社の隣りにあります。