滅紫

「木挽町のあだ打ち」ご当地に登場ー四月大歌舞伎

「木挽町のあだ打ち」が刊行された当初から、歌舞伎好きの仲間内では話題になり「山本周五郎賞」に次いで「直木賞」授賞となると俄か親戚のおじさん・おばさん化してわがことのように喜びました。そして何と歌舞伎座に!

うち揃ってやってきました。木挽町!

幕が開くととある大名家の重臣の屋敷。「主人公の父である伊納清左衞門が突然息子の菊之助に斬りかかります。下男の作兵衛が清左衞門と斬り合い逃亡。」とめまぐるしい展開。「菊之助は父の仇となった作兵衛を討つため江戸に向かいます。江戸で向かった先は木挽町の・森田座。芝居小屋に生きる人々の世話になりながら仇を探す日々を送る菊之助がある日、狂言作者の金治に出逢うと。・・・」(パンフより)

主人公の前髪の美少年・伊納菊之助には染五郎。原作のイメージぴったりです。そしてこのあだ打ちに秘められた真実とは?

降りしきる雪の中、真紅の被ぎをまとった菊之助が見事に父の仇打ちを果たす場面は見ものです。そして菊之助の手助けをする芝居小屋で働く人々の明るく人間味溢れる姿も魅力的です。

狂言作者・篠田金治に幸四郎、下男の作兵衛に中車、彌十郎が小道具方久蔵を演じます。

昼の部は「黒手組曲輪達引」(黒手組の助六)、夜の部は仁左衛門・幸四郎がダブルキャストで勤める「彦山権現誓助剣」、尾上右近が本興行で初めての「春興鏡獅子」、講談シリーズが評判の松緑の「無筆の出世」何と今回は講談の神田松鯉も登壇します。いずれも見逃せない演目揃いです。

「四月大歌舞伎」千穐楽は25日。10日、18日は休演

お問い合わせはチケットホン松竹0570-000-489、チケットWEB松竹へ。