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川本幸民の復刻版ビール(小西酒造製造)の試飲と街おこし

【2022年12月1日執筆】

2022.08.12付けで『日本で初めて「日本橋茅場町1丁目」でビールの醸造をした『川本幸民』の紹介』のブログを執筆しました。楽しんで頂けたでしょうか?その時点では試飲もしていない状況で紹介しましたが、今回は試飲の感想です。

12年前(2010年)川本幸民の出身地である兵庫県三田市は生誕200年(西暦1810年誕生)を祝して、日本で初めて醸造したビールの復元を行いました。復刻版ビールの製造を地元に近い小西酒造殿が担当しました。その当時のレシピに基づいて製造するビールを『幕末のビール』と命名し、現在も販売しております。関東の酒類店あるいは飲食店では入手不可であり、関西でも三田・伊丹など限定販売で、ネット購入が主流です。

「復刻 幸民ビール」プロジェクトを願って、まずは実際に飲んでみたい!と思っていたところ、手に入れる機会に恵まれ、早速試飲しましたので、感想を述べさせていただきます。

 

試飲の結果報告

ビールの種類には大きく分けて現在主流のラガービールと、少量生産可能なエールビール(クラフトビール)があります:

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「使用する酵母によってビール醸造法には、「上面発酵」と「下面発酵」の2種類があります。幸民は当時「上泡醸法」「下泡醸法」という訳語で区分しており、それらの違いを理解していました。「下泡醸法」は「上泡醸法」に比べて低温による醸造法であり仕込みに時間がかかる一方で、長期貯蔵に堪えるビール(いわゆるラガービール)を作るのに適しています。当時の技術環境から考えると、ラガーではなくエールビルだったと考えられます。

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幸民ビールの特徴は、清酒の酵母を使用していますのでその香りと麦芽の甘み、ホップの苦みとすっきりとした後味を感じることが出来ます。一般のラガービルと比べて非常にマイルドですので、ラガービールを好まない(日本酒好きの)私にとっても口当たりが良く味わうことが出来ます。清酒の酵母を採用していることも私の嗜好に合っていたのかもしれません。

瓶の首掛けに次のような飲み方の説明が図解されています:

① 約2/3をグラスに注ぎ ② 酵母を混ぜるため瓶をクルクル回し(執筆者追記: 重い酵母は沈殿しているので、瓶をクルクル回して引き出します) ③ 残りを一気にグラス注ぎ(執筆者追記:酵母をグラス1/3を占めるビールに注ぎます)

・・・(そして)乾杯

この手順で飲んでみたところ、「旨い!!!!!!」価格がちょっと高めが、少し残念。

「幕末のビール」のラベルは暗い感じがします。改良が必要でしょう。例えばキリンの「スプリングバレー」のような感じに。

幸民ビールは「地ビール」か?「クラフトビール」か?

幸民ビールは地ビールとクラフトビールどちらでしょうか?

どちらも正解です。

地域に根付いた作り方に基づいて作っているビールが「地ビール」です。茅場町一丁目で最初に造られたビールを強調すれば「地ビール」と言えます。                                        一方のクラフトビールという名前は、「小さい規模で作っているビールを【工芸品(クラフト)】にたとえて名付けた」ということからすると、南茅場町の自宅の庭先の醸造窯で幸民が丹精込めて作ったのですから、「クラフトビール」とも言えます。

幸民の自宅跡付近(茅場町1丁目交差点付近)を『日本初のビール醸造発祥の地』と考え、街おこしにつなげようというプロジェクトが始動できるか判りませんが、街の魅力になるように活動してまいります。進展がありましたらブログで随時報告させて頂きます。ご期待ください。