しばしばしばた

最新スポットに薫る 土の記憶

昨年9月に「バスターミナル東京八重洲」など地下フロアが先行開業し、いよいよ来月3月10日にグランドオープンを予定している東京ミッドタウン八重洲

この街区内に、東京駅八重洲口から京橋方面へ抜ける「八重洲ウォーク」という歩道が設けられているのですが、ここにとっておきの"ウォール"があるのをご存知でしょうか。

いくつかの大きさ・形のタイルがランダムに並んだこの壁、実は一つひとつのタイルが敷地内で建設工事中に採取された土を使って焼かれた、八重洲生まれの「八重洲焼き」タイルなのです。

 最新スポットに薫る 土の記憶

敷地入口付近には、説明板も設置されています。
工事現場で出る土を使った、究極のリサイクル素材ですね。

城東小学校の入口にも「八重洲焼き」が

城東小学校の入口にも「八重洲焼き」が 最新スポットに薫る 土の記憶

八重洲焼きは、もう一か所、八重洲セントラルタワーに入居する「城東小学校」の入口にも使われています。

ここでは、建設現場で出た土の調合割合を変えた3種類のタイルが使われています。しかし、実際の見た目はまるで3種類以上のタイルが使われているかのような豊かな表情が現れています。
同じ土を使って焼いても、色合いや大きさに少しずつバラツキが出るためです。工場で大量生産した通常製品には出せない味わいがたまらないです。

城東小学校の旧校舎は、関東大震災の復興で建てられた「復興小学校」の1つとして知られていました。復興小学校は、泰明小学校や常盤小学校のように当時の校舎が現役で使われているものもあれば、明石小学校のように建て替え後に部材や意匠が部分的に保存されているものもありますが、今回の城東小学校のように敷地の土が形を変えて活用されているというのはこれまでにない新しいパターンのように思います。

八重洲にお越しの際は、そんな「土の記憶」を感じながら東京ミッドタウン八重洲をお散歩してみてはいかがでしょうか!