2023「百花の王」の美しい佇まい
新緑が目に眩しい季節到来です。 多くの花が咲き乱れ、自然界の色も一気に明るさを増す中で、一際華やかな存在感を放つのが「牡丹」です。 中国原産で、一説では奈良時代に薬草として渡来したとされ、その後観賞用として栽培され、日本画の季節の題材や、伝統模様のモチーフにされることも多く、親しまれてきました。 光沢のある薄い膜質の大きな花弁が幾重にも重なり艶やかな花姿は、「百花の王」「花王」と称され、「富貴」「風格」という花言葉に恥じない、庭木の女王に相応しい佇まいを見せます。 通常、七十二候「牡丹華(ボタンハナサク)」(今年は4月30日~)の前後、4月半ばから5月初旬に花を付けますが、今年は早くも、浜離宮恩賜庭園 ボタン園内の約60種800株と聞く花々が開花中です。 一重咲き、八重咲き、千重咲き、万重咲き、平咲き、抱え咲き、獅子咲きと多彩で、花色も、紫、赤紫、黒紅、紅(赤)、薄紅、白、黄と変化に富み、覆輪(外縁部が地と違う色で縁取り)、底赤(花弁の底部が濃い紅色)、絞りといった花柄も見られます。 咲き始め~咲き終わりまで20日ほどで「二十日草」とも呼ばれます。