やすべえ

高尾稲荷神社、今、昔

アニメーションや漫画、映画の舞台やモデルとなった場所を訪ねることを、聖地巡礼というのだそうです。実際に訪ねることはしなくても、自分の知っている場所が、テレビに映ったりすると、何となく嬉しいですよね。時代小説が好きな私の場合は、小説の中に気になるお寺や神社の名前を見つけると、実際にそこを訪ねて楽しんでいます。おじさんの、一人聖地巡礼です。

さて、少し前の話になりますが、箱崎を歩いていると、高尾稲荷が建て替えられて、すっかり新しくなっていることに気付きました。コロナで外出を控えているうちに、街並みも変わり、いったい、何時頃、建て替えられたのかなと思っていたところ、タイミング良く2023年6月8日のNew Riverさんの記事「高尾稲荷神社への想い~「記憶のかけら」を未来へつなぐ~」で経緯が詳しく紹介され、疑問が解けた次第。秀逸な記事だなあと感心していました。

実は、この地には、丁度10年前に聖地巡礼で訪れており、その際に何枚か写真を撮影していました。今に至るまで、高尾稲荷の前は何度となく歩いているのですが、写真を撮ったのは、その1回きり。時間が経つにつれて、写真は価値を増すものと普段から思っているので、「撮っておいて良かった」。それで、今回は高尾稲荷の今と昔の写真を紹介することにしました。

10年前にタイムスリップ

10年前にタイムスリップ 高尾稲荷神社、今、昔

建て替えられる前の高尾稲荷です(2013年7月撮影)

 高尾稲荷神社、今、昔

現在の高尾稲荷のお社

 高尾稲荷神社、今、昔

建て替えられる前の高尾稲荷のお社(2013年7月撮影)

 

今回のブログ用に写真を撮影していると、海外の方から「これって、神社だよね?」と声を掛けられました。お話を聴くと、カナダから来日した方で、京都を観光してから東京に来たとのこと。そこで、東京には、お稲荷さんがたくさんあることと、戦争のせいで、東京には京都のように古い建物は無いけれど、こういった神社を近隣住民が大切に守っていることをお伝えしました。高尾稲荷の場合も、社殿はモダンだけれど、300有余年もの歴史が有ることを紹介したところ、かなり感心された様子でした。変わっても、変わらないことがある。それが東京らしいかなと思います。

時代小説の中では?

高尾稲荷の歴史は、New Riverさんをはじめ、過去の中央区観光特派員ブログでも取り上げられていますので、詳しい説明は省き、ここでは、仙台藩主伊達綱宗候に斬り殺された吉原の遊女・二代目高尾太夫を祀る神社ということだけを記しておきます。

大江戸釣客伝(夢枕獏著、講談社)の中では、高尾太夫について、絵師・多賀朝湖(後の英一蝶)と俳諧師・宝井其角が、

「吉原でしくじった伊達様の例もあらあ-」

「三浦屋の高尾太夫に入れあげて、身請けしたはいいが、太夫には間夫がいた。怒った伊達様が太夫を逆さ吊りにして、切り殺したってえことになったら-」

と会話する場面が登場しています。

 高尾稲荷神社、今、昔

現在の高尾稲荷のお社

 高尾稲荷神社、今、昔

建て替えられる前の高尾稲荷のお社(2013年7月撮影)

 

高尾稲荷神社 中央区日本橋箱崎町10-10

公式HP https://takaoinari.tokyo/