2023 天空の贈り物 "一期一会" の黄昏アート
沈みゆく夕日が醸し出す黄昏時の景観は、一つとして同じものがない一期一会の、太陽と大気が創り出す色彩マジックです。 「トワイライトタイム」とは薄暮時全般を指し、殊に日没直後は、夕空の色相のコントラストが鮮やかで「マジックアワー」と呼ばれ、更に、藍色が強い「ブルーアワー」、金色に染め上がる「ゴールデンアワー」と、各々色調を強調した表現もなされます。 太陽光(可視光線)は、プリズムを通すと波長の異なる赤色光~紫色光の7色に分光し、組成を知り得ますが、大気の層を通過して我々の目に届くまでに、塵や水蒸気などにぶつかって散乱します。 朝夕の "焼け" は、太陽光が日中より低く地平線間際から長く大気圏を通過し、波長の長い赤系統の光が主に目に届くことから起こる現象とされますが、その色合いは空中の水蒸気量などで変化し、また太陽の位置、雲の動きにより刻々と千変万化の様相を呈します。 一般的に台風前は、湿った空気が流れ込み大気の水蒸気量が増え、波長の短い青系統の光が散乱され、普段より夕焼けが赤く染まり易いとされますが、翌日に台風13号接近が報じられた9月7日夕刻、佃公園 隅田川テラスから眺める、水辺空間の空一面に展開される "黄昏アート" もまた唯一無二の見事さで、自然への限りない畏敬の念を禁じ得ません。