2023 残暑落ち着き一気に開花 秋の彼岸の彩り
「暑さ寒さも彼岸まで」の慣用句通り、秋分を迎え、今夏の記録的な猛暑、長引いた残暑も漸う和らぎ、凌ぎやすくなった印象です。ヒガンバナ(彼岸花/曼殊沙華)は、中国原産のヒガンバナ科ヒガンバナ(リコリス)属の多年草。 「彼岸花」は、秋の彼岸の頃 真っすぐに伸びた花茎の先端に鮮やかな朱色の花を付けることから、「曼殊沙華」は、サンスクリット語manjusakaの音写で 法華経などの仏典に由来とされます。 地中の鱗茎にリコリンなどの有毒のアルカロイドを含み、6枚の花被片は細く反り返り、花弁を包むように雄しべは長く伸び、個性的な造形です。英名は "Red spider lily"。 ネガティブなイメージも有し、「墓花」「死人花」「幽霊花」等不吉な別名も多数あります。 通常3倍体の染色体を持ち、花は咲けど実は結ばず、鱗茎が分かれ栄養繁殖し、土手、堤防、畦、道端、墓地、線路の際など、人の手の入る場所に生育しています。 花が咲いた後に線形の葉が伸び、翌春に枯れ、通常の草花とは逆の生態を持ち、開花時に葉がなく、花と葉を同時に見ることが出来ないため「葉見ず花見ず」とも呼ばれます。 白色のヒガンバナ(白色彼岸花/白色曼殊沙華)は、ヒガンバナとショウキズイセンの自然交配種と言われ、純白ではなく黄色味がかったり、ピンクが入ったりする個体もあるようです。 石川島公園南端、相生橋南詰の複合施設「相生の里」前の隅田川テラス土手に群生するヒガンバナ、シロバナヒガンバナがこの季節らしい風情を醸し出し始めています。